1年必修授業「和風でゴー」〜テーマを持つ授業

中平です。1年必修授業「和風でゴー」の様子です。
前時、「風神雷神図屏風」や「かきつばた図屏風」を鑑賞した生徒が、スパッタリングやデカルコマニー、ドリッピングといったモダンテクニックを使って、「テーマ」を持つことを学習しました。生徒は、上記3種類のテクニックだけを使って、色画用紙に、くじ引きでひいた「テーマ」を表現します。ちょっとゲーム的な学習です。くじ引きの紙には、「ゴージャス」「善と悪」「おいしい」「爆発」「わくわくどきどき」といった言葉が書かれています。制限時間は一時間。はぶらしやストローといった、一見美術用具と思えない道具で生徒は制作するのです。

この授業で一番大事なことは、もちろん、最終的な金屏風制作へ向けてのスキル学習ということもあるのですが、「テーマ」や「主題」といったものをいかに表現するのか、「テーマ」とは一体何かを体験する学習であるということです。金屏風制作の時には、自分で表現するテーマを決めて、風神雷神タイプか、かきつばたタイプの構図で表現しなければなりません。そのトレーニングでもあるわけです。日本の美術教育は、表現技法やテクニックを教えることに充分時間を費やしますが、「何を伝えるのか」というテーマや主題を決めることに時間を取っていないように思います。表現はすべて、「何を伝えたいのか」が大事であると私は考えます。