さくらびレポート19 キッズ学芸員を広めたい

櫻ヶ岡中学校の中平です。昨年までのとがびアートプロジェクトの大きな成果として、「キッズ学芸員」という社会との関わり方のアイデアがあります。この考え方は、生徒と一般の方々がアートを通して交流することができます。中学生だけでなく、一般の方々や市民も「市民学芸員」として交流することも可能です。とがびアートプロジェクとが、単なる「学校美術館」に陥らなかった理由の一つは、この「キッズ学芸員」にあると思います。
この取り組みを、社会とのかかわりにおいてまだまだ発展途上である櫻ヶ岡中学校や、長野市で展開する方法はないだろうか、と考えています。櫻ヶ岡中学校は、私が赴任してまだ一ヶ月ですし、暗闇美術館もとがびも行われていません。つまり、実践も、理論も、経験もこの現場では何もないのです。しかし、美術教育は、まず実践があり、社会的認知を少しずつ進め、あとから理論付けを行う流れが自然だと思いますので、まずは、地域の美術館などで作品を展示発表し、その場で、時間を限定して、中学生作家が自分の作品を一般の鑑賞者に対して、ギャラリートークを行うということが実現できたら、今年の狙いは達成したと考えていいのではないかと思っています。この実践は、良い評判となって、学校に帰ってくれば「素晴らしいことなので、来年は、学校の中でやってみよう」ということにつながるかもしれません。また、社会の中では、「中学生ができたのだから、われわれ市民もやってみよう」ということになるかもしれません。キッズ学芸員を、今年は広めたいと思います。