Nプロジェクト〜さくらびレポート68 作品を通した心の通い合い

櫻ヶ岡中学校の中平です。櫻ヶ岡中学校美術科のカリキュラム・Nスパイラル(全ての題材が鑑賞から出発する3年間の学習カリキュラムhttp://www.geocities.jp/erigolbun/togabi/nspiral.pdf)

では、生徒同士の作品をお互い鑑賞し、コメントを記入していく「相互鑑賞会」を必ず行っています。作品というきわめて作者の個性を具現化しているアイテムが存在する美術科の授業で、これを行わない手はないと考えています。美術の作品を通して、生徒が他者の良さを見つけあい、言葉にして贈る。美術科独自の活動ではないでしょうか。
 生徒は、作品を見て、白紙に、思ったことで良いことだけを記入していきます。「赤の塗り方が丁寧でいいよ」「発想がとてもおもしろいです」など、感じたことをそのまま書いているだけですが、言葉をもらった本人は、嬉しそうに感想記入用紙を何回も読んでいます。
 最近の中学生の様子を見ると、人間関係つくりが下手だなあと思います。相手にどう言葉をかけたらいいかわからないのです。また、自分の言葉で相手が良く思わないのではないかといった不安にいつも苛まれている。それが中学生の現実なのかもしれません。時にはひどい言葉を書かれた手紙をもらうこともあるでしょう。この鑑賞会では、全てが読んで安心できる言葉を書いたり読んだりします。不幸の手紙ではなく、幸せの手紙になってくれればいいなあと思います。