Nプロジェクト〜さくらびレポート179 プレゼント展@七瀬まるごと美術館08を振り返る

櫻ヶ岡中学校の中平です。3年選択美術33名で取り組んだ「プレゼント展」。念願の七瀬まるごと美術館に無事展示ができて安心しました。また、多くの地域の方々から中学生作品が歓迎され、二重の喜びでした。1月からは、3年選択美術は後半に入ります。そこで、プレゼント展を振り返ってみたいと思います。
 2年前の春、私が櫻ヶ岡中学校に転勤してきたとき、真っ先に七瀬まるごと美術館の渡邊さんが、来校してくださり、まるごと美術館への協力を熱く語ってくださいました。5年前から七瀬まるごと美術館が続いていることは知っていましたので、できるだけ早く参加をしたいと考えていました。 
 一年目の昨年は、小布施や廃材アートなどへの参加で終始してしまいましたが、今年に入り、春から七瀬商店街さんへ出かけ、なんとか授業へつなげる糸口を探してきました。区長さんや商店会長さんにお会いしたのも、この頃でした。つまり、夏のさくらびアートプロジェクトよりも早く、実は七瀬への準備を始めていたのです。時間をかけて展示を進めたこと、それには理由があります。とがびアートプロジェクトは学習活動としては大成功でしたし、様々な話題を呼ぶことも実現しました。しかし、一つだけ、地域と本当の意味で連携し、協力しているかはまだまだ課題が残っているのです。地域の方々と本当に出会い、話をし、地域の良さを再発見する活動でないと、本当の意味で地域と連携しているとは言えないと思っているからです。

作品展示の場所が学校内から商店街に移っただけ、では発展はないと思っていました。そのため、私は何度も七瀬まで歩いていき、自然のことや歴史のこと、繁盛していた昔となぜ繁盛しなくなったかということについて話をうかがうことにしました。
 このプロジェクトの難しい点は、ここに住んでいる方々と生徒が直接出会う機会がほとんどない、ということでした。ましてや、この商店街は、歩行者がほとんどいない車の近道でしかなかったからです。作品を展示しても見る人がいるのだろうか?見てくれない場所に生徒の作品を展示する意味はあるのだろうか?など、いつも悩んでいました。
 その悩みや疑問が消えないまま、展示を向かえ、展示が始まりました。メディアも全く興味を示さない展示に意味があるのか?・・・と疑問は晴れませんでした。しかし、この二週間で地域の顔というものが少しずつ見えてきました。地域の方々は姿は見せませんが、生徒の作品を雪や雨から守ってくださったり、お客さんに作品を通して話しかけてくれたりして、作品を大事に守ってくださっていたのです。生徒も、夜や学校の帰りに家族と鑑賞にきていたことがわかりました。学校の中や屋根のあるところではありえない地域の動きがあったことを知らされ、私は、活動の意味を知りました。生徒は感想で「次は、多くの方々と一緒に楽しめる制作をしたい」と書いていました。今回は地域へ作品だけを展示しただけなのかもしれませんが、次へのアクションに対する希望や勇気がわいてきました。ますます七瀬について。知りたくなってきました。つながりを大事にしていきたいです。