Nプロジェクト実行委員会代表の中平です。今回で6回目の「とがび」。1回目から、どんな成長や発展を遂げているのか、それを私なりにレポートしたいと思います。今回の「とがび」でのキッズ学芸員達は、基本的に「これがやりたい」という自分なりのテーマや主題を持って集まっていると感じました。美術部長のTさんは小学5年生から「とがび」を見続けており、今3年生になって、思いっきり自分の表現をしているそうです。漫画の「ドカベン」のような登場人物と言ったら良いでしょうか。集まっているキッズ学芸員達にはそれぞれの個性があり、やりたいことは別だけれども、美術や「とがび」に対する想いは大きいのではないでしょうか。
今回の「とがび」で私が注目した写真の作品「透明人間」。Tシャツにいろいろな文字や模様が描かれ、教室内に無造作に並べられています。ガラスやロッカーの上に置かれている様は、脱いだまんまの状態?ほったらかしにされた状態、などいろいろな情景が浮かんできます。3年生の作者は教室という空間で、Tシャツに今の自分を重ね合わせて何かを伝えようとしています。
私がこの作品に注目したのは、作品自体の魅力もありますが、作者のキャラクターです。作者である男子生徒は、もともと男子バスケットボール部員。美術に魅力を感じてしまい、夏、部活が終了し、彼は晴れて美術部に入部しました。「バスケより美術は疲れるのはなんで?」など、ストレートな言葉で自分を表現する作者。このTシャツの作品も、私は、作者の思いなどが充満したピカイチノ秀作だと思います。
このように、美術表現を「求めている」生徒が、とがびを必要として集まってくる様子が、今年は顕著でした。今後もこの方向のレポートをしていきたいと思います。