さくらびレポート147〜2年必修授業「漢字は感字」 あなたの空想によって完成します!?

櫻ヶ岡中学校の中平です。2年必修授業「ズバリ言うわよ!」。その第二段題材として「漢字は感字」を行っています。漢字一文字を、意味を伝えるだけでなくテーマを「感じ」で伝える、まさに「感字」を発想しています。この題材は、いわゆる「創作文字」という題材と似ていますが、全く違います。明朝体やゴシック体などの基本形は無視して、字の意味と伝えたいことをぎりぎりのせめぎあいで表現する面白さがあります。「遊び」のこころがないといまくいきません。また、デザインで言われているテーマを伝達するということと、そのためにアイデアを発想するということ。その両方を学習することができます。

さて、写真の作品の題名は「痛っ!」。空手をやっている生徒の回し蹴りでけられた時の痛みをテーマとして表現しています。回し蹴りの「回」をスピード感よく表現しています。

次の作品の題名は「ソニーのブラビア」。何のことはない薄型テレビを墨で描いた作品だ、とおもいきや、実は生徒に聞くと、もっと他の意味があったのです。ある生徒が「この作品、漢字を使っていないよ」と作者に尋ねると、作者である生徒は「上下を逆にすると面というじになるでしょ」「え?でも、線がたりないような気が・・・」すると作者の生徒は「ない線は空想で補えばいいよ」
この会話に感動した、生徒が、授業中の相互鑑賞会で、このエピソードを全員の前で披露してくれました。
空想で作品を補うという発想は現代美術の匂いを感じます。このことに敏感に反応した生徒も素晴らしいし、そのアイデアを作品にした生徒も素晴らしいです。
新しい指導要領で言われる「生徒の資質を発揮する題材」というのは、こういうことなんではないかなあと思いました。