さくらびレポート213〜スーラの点描について考える

櫻ヶ岡中学校の中平です。美術部で今取り組んでいる「絵になった私」という作品作り。スーラ「グランジャット島の日曜日」に取り組むチームの様子から考えたことがあります。
この取り組みは、有名絵画に自分がなってしまう活動で、模写の良さと、作品になりきることから発生する鑑賞力の向上が期待できます。
スーラといえば、点描です。この点描画法は、「かなり教育的価値が高いのではないか」とこの活動に取り組み始めて感じるようになりました。本校の生徒は、点描が方は初めて経験しましたし、まだどうしてこのような画法があるのか、認識すらできていません。ですので、描いていく上で私が「原色を重ねていく意味はね・・」とか「点の粗密で色合いが決まるんだ・・」と説明し、実際に描き、確認させながら進めていきます。そういう活動の中で、私も生徒も発見することが多いのです。これには驚きました。

点描画法は、生徒にとって、慣れるまでは「やっかいな課題」だと思いますが、実際に色の集積が目の前で立体となって現れると「うわあ、すごい」と今までにない言葉を自然と発します。色と立体感の融合といいますか、見たこともない世界という感じでしょうか。
生徒たちは、スケッチ力とかデッサン力はありません。今まで私自身、今の子どもたちにあった力の付け方、理論を、はっきりつかんでいませんでした。しかし、今回スーラの作品の模写に取り組んでみて、点描を模写することは、色の塗り重ねや立体表現について生徒たちは実感として学習することができる、という実感を抱くことができました。

美術部の恒例活動として、必ず何か画像を点描で描く、を課題にしてもいいかもしれません。