櫻ヶ岡中学校の中平です。3年生の卒業制作作品を紹介しています。
3年生に与えたテーマは「夢」。その夢というテーマをどう自分の興味関心まで引き寄せるか、そこが面白いところですし、鑑賞者が作品を見る面白い点なのです。毎年、必ず3年生が扱う主題として「戦争」や「平和」という主題があります。これは何年も前から変わることはなく、中学生にとっての永遠のテーマなのかもしれません。
写真は、広島の原爆ドームを使った作品。レンガ状にした紙粘土を積み上げ、色を工夫しています。手前に小さな白い鳩がとまっていて、見る人の目を集めます。小さな作品ですが、密度が高いです。
次の作品は、世界の武器を全て箱に詰めて封印してしまう作品。紙製の箱の中に針金でがんじがらめに巻かれた武器が、入っています。箱の周りには有刺鉄線が描かれています。その鉄線の色が黒と赤が使われており、工夫が感じられます。
展示会場でひときわ目を引き、「これが美術なのか?」と議論を呼んだ作品。
題名「穢れなき銃」。購入した銃のプラモデルに白を着色しただけの作品。あまり制作時間がかかっていないように見えますが、生徒たちから見ると、「気持ちが伝わってくる」作品ナンバーワン。見せ方が良いのでしょう。また、中学生から中学生に伝える表現というのを作者はよく理解しているため、このような表現になったと思います。
刀のような形の木材が綿や蛍光の糸で縛られています。これも戦争や争いに反対し、平和を希求しています。刀など武器を縛っているのが綿や糸というか弱いものなので、平和を希求しているんだけど、不安な感じも伝えています。おもしろいですね。
世界平和というテーマを生徒は扱っているんですが、もっと深く考えると、自分自身の心の不安や邪悪なものを封印したい、自分を変えていきたい、という気持ちが表されていると思いました。