さくらびレポート292〜さくらび2009年度を振り返る その2「もっと幅広い素材体験を」

櫻ヶ岡中学校の中平です。平成22年度へ向けて、今年一年間の美術の授業を振り返ってみたいと思います。
卒業制作という取り組みを始めて、11年になりました。諏訪南中、戸倉上山田中、そして櫻ヶ岡中学校で続けて取り組んできました。今年の櫻ヶ岡中での卒業制作を終えて、一番きになったことは、「生徒が扱った素材が乏しい」ということでした。今までは、授業中、私が困ってしまうくらいに生徒から様々な材料の準備に関する要望が多かったと記憶していますが、今年は、それが少なく、生徒自身の取り組んだ材料も幅が狭かったと思います。当然、作品は、いわゆる紙や紙粘土、絵の具といった当たり前の、別の言葉で言うと「どうなるか結果がわかりきった」材料しか使わないことになります。そのため、作品の規模も小さめであり、密度も薄い印象が残ってしまいました。この原因の一つは、3年間のNスパイラルでの素材体験が少なかったこともあげられると思いますが、今までの決定的な理由として、2年生の時に選択美術「五感でアート」がなかったということも上げられるかと思います。来年度は、選択教科がなくなります。そういった美術科にとっての「ダメージ」を最小限にするため、「素材体験」「豊かな素材」を扱える授業、題材を考案する必要があるでしょう。