さくらびレポート300〜さくらび2009年度を振り返る その10「中学生アートを世の中に」

世の中に、なかなか共感できるアートが存在しない。

アーティストの皆さんには、大変失礼なことを言い続けています。しかし、本当のことではないかと思います。映画や文学、演劇、音楽・・・どうでしょうか、最近、共感できるなにかに出会いましたか?私は、唯一であったものは「中学生アート」です。これは自信を持って、そう言えます。
中学生の表現は、生々しく、正直で、ストレートで、大人をどきっとさせます。そして大いなる「謎」をはらんでいるところが魅力です。「なぜ、この生徒はこんな表現をしたんだろう?」「この生徒はどんな内面を持っているんだろう?」小さな表現の一つ一つにそういった「謎」があるのです。その謎がまた共感を呼ぶのです。
当然、中学生は技能を持っていません。大人から見ると稚拙で低レベルに見えるかもしれません。逆に、そういった表現であるからこそ、中学生の表現を「中学生アート」として、世の中に発信し、大人に見てもらう価値があるのではないでしょうか。彼ら彼女らの作品を、世の中の大人に見せていく仕事、それが私の仕事であると確信しています。「本気で突っ走る中学生」。来年度もその気持ちに変わりはありません。