さくらびレポート51〜消えるカバン改造中学生

櫻ヶ岡中学校の中平です。先週まで、東京学芸大学大学院の学生さんが教育実習に来られていました。私としてとても新鮮な二週間を過ごすことができ、自分の実践を振り返ったり、言葉を新たに思いついたり、充実していたと思います。

実習生は、櫻ヶ岡中学校を10年前に卒業したそうです。その当時と比べて今は見違えるほど落ち着いた学校に変身しています。実習生は、当時の思い出の例として、先日実家から見つけた自分が中学生時代に使っていたカバンの話をしてくれました。

写真が、そのカバンです。「カバンやジャージを改造して自己表現していました。そういう日常の中が大事な表現の場だったように思います。」
今は、ここまで改造する生徒は一人もいなくなりました。

カバンの改造は手が込んでいます。カバンの表面だけでなく部品を取外すと、なんとその中に自分の好きな言葉やアーティスト名が書き込まれているのです。

「見えないところに自分の言いたいことを隠しながら書いていました。」表現を楽しんでいる心や、創造性を感じてしまいます。

「校則を破っていることなので、当然いけないことなんですが、自分たちとしては真剣に改造していました。」

カバンの改造は表現ではなく、わがままだ。という指導があります。それは正しいとおもいます。徹底した生徒指導で、現在の櫻ヶ岡中学校の落ち着きが生まれてきたことも認めます。ですが、そういった反抗的な行動が表面的にはなくなってきた今、創造的な衝動や破壊衝動なども、中学生からなくなってしまったと思います。(または隠されている?)また、カバンや制服の改造がなくなったと同時に、中学生がやけに大人しくなり、パワーもなくなってしまったようにも感じます。中学の授業では、現状を改造することも教えないといけないのでしょうか。