さくらびレポート85〜モンドリアンでマドリアン

櫻ヶ岡中学校の中平です。一学期もあと二週間となり、作品が完成してきています。中学校の美術作品ですが、完成はあまり気にしないほうがいいのですが、やっぱりやるからにはどの生徒の作品も「思ったよりよくできた」と実感させてあげたいと思います。この2学年必修授業の題材「モンドリアンでマドリアン」は、平塗りと溝引きに焦点をしぼりつつ、モンドリアン作品の鑑賞もできる題材です。

写真は男子生徒の作品。一部分だけ溝引きの黒線を黄色にしているところが面白いです。なぜ黄色なのかわかりませんが、失敗した部分を消去するのではなく、作品の一部として考えていこうと言う前向きな発想のようです。

男子生徒の作品。この作品も部分的に色を変えています。美術は一つの形を自分なりにずらしたり、交換したり、別のものに置き換えたりすると、一気に幅が広がるものです。そういうところを教師が見つけ、言葉として作者に返していくことが大事ですね。

配色がきれいです。平塗りや溝引きは生徒にとって、とても大変な作業でしたが、一生懸命集中してがんばる姿を多く見ることができました。特に溝引きで色彩の美しさが変わってきますので、そういった数ミリの戦いについて教師は「丁寧に丁寧に」と言葉をかけてきました。
デッサンなどの細部への作り込みは多少漠然としていて生徒も困惑しますが、溝引きなどの細部修正などはわかりやすいので、集中できるんだと思います。わずか数ミリが表現を左右する、ということは大切にしてことあるごとに生徒には話していきたいと思います。