学校と美術館の連携について〜8月7日日本美術教育学会シンポジウムへ向けて

Nプロジェクト実行委員会の中平です。いよいよ8月になり、7日の岡山大会が近づいてきました。私はシンポジウムにシンポジストとして学校での事例などを発表させていただきます。その準備として、今日は「学校と美術館との連携について」考えてみたいと思います。

さて、長い間学校と美術館との連携が叫ばれ、全国の小中学校で様々な連携や共同授業が行われてきました。その動きはアメリア・アレナスなどによる対話型鑑賞メソッドの導入を促し、学校現場に鑑賞の波を起こしたことは事実です。

私自身は、とがびアートプロジェクトで、長野県信濃美術館から東山魁夷のリトグラフをお借りし、中学生が展示解説するという活動を行いました。この活動は、とても素晴らしく、中学生が職場体験でも味わえない現場の厳しさや楽しさを味わうことができ、学芸員という美術関係の仕事の役割を学ぶことができるものです。とがびは今年7年目を迎え、生徒たちは、様々な作品を偏ることなく会場に展示することにより、展示そのものが多くの方々にアピールできるということをすでに学んでおり、必ず東山魁夷作品をお借りするようになっております。

考えてしまうのは、いろいろな活動があったのですが、成果はあったのか、ということです。とがびの場合は7年間も継続していますので、生徒の美術作品という考えの枠を十分広げたと考えられます。しかし、一般の学校は難しいと思います。

素晴らしい作品が、いつでもどんな時でも美術館から学校に来てくれればいいなあ・・・・・。
美術教師ならば誰でも考えると思います。学校に無いもの、それは作品です。美術館には作品がたくさんあります。また、学校にはアーティストはいませんが、美術館には展示のときのオープニングなどに会場にいます。

作品と、アーティスト。それが学校になくて美術館にあるものです。

そこで、美術教師である私から、今後の美術館と学校の連携を盛り上げるたけの提案です。「美術館の展示のとき、小さい作品とアーティストを、美術館だけに置いておくんじゃなくて、学校の授業にも派遣してほしい」。青森の空間実験室では、そのような連携ができているそうです。そして、学校は小中学生を美術館へ連れて行く努力をする。
うまくまとまらないですが、つまりお互いにあるものを交流させようということと、美術館は是非地域のアートセンターとして公私問わず積極的に発信していってほしいです。