さくらびレポート156〜内面を描き出す難しさ

櫻ヶ岡中学校の中平です。2年必修授業「ズバリ言うわよ!」の中の小題材「漢字は感字」。その遊び的導入として「水ボワっく画」を行っています。先日から、この一時間の授業にこだわり、ずっと考えながら試行錯誤しています。

なぜ、水ボワっく画を行っているのか?それは、最終に「漢字は感字」の作品制作で、どうしてもここ数年「あまり面白い作品が出現しない」と感じていたからです。では、この授業でどんな姿を期待しているのか?それは、墨+筆+具象的説明表現、ではなく、ステレオタイプな形式や組み合わせを遊び心でぶち壊し、いろいろな道具をつかってみながら試行錯誤する姿です。これは、この授業だけではなく、他の授業や、卒業制作、またさくらびなどでも共通する願う姿です。その姿がなかなか見ることができない。そう感じていたのです。

この水ボワっく画を行うことで、全てが解決するのではありませんが、5クラスでいろいろ試すうちに、願う姿が自然と現れてきました。

写真は、習字紙をあらかじめしわしわにして、「硬い」というテーマを表現しようと試行錯誤している姿です。

授業3クラス目にして、抽象的な表現が現れ、しかもバリエーションが豊かになりました。使っている道具も様々、使い方も様々です。

こういう表現が現れると、生徒の感想も変化します。「テーマを表現できた。満足いくものになった」という感想が増えました。また「難しくて困ったけど、楽しかった」という感想も増えているようです。
なぜ変化したのでしょうか。二つ原因があると思います。一つは、オーソドックスですが「いろいろな道具を使った表現の事例を掲示し考えさせたこと」もう一つは「黒板に遊び心と板書し、遊びだよと強調した」この二つです。それ以外には考えられません。確かに、依然と生徒の活動がよりクリエイティブに変化したのです。例えば、道具を組み合わせるとか、使い方を変えてみるとかです。

これで完結ではなく、この学習がいかに本番の制作である「漢字は感字」に結びつくのか、そこが大切です。今回の遊び心を引き継いで制作して欲しいです。