さくらびレポート183〜さくらび2010の最大の収穫は「中学生は初めからキッズ学芸員」だということ

櫻ヶ岡中学校の中平です。さくらびから一夜明けて、いつもの学校に戻りました。今朝は、私の知らないところでNHK朝の全国ニュースに出ていたそうで、いろいろな人からの反響に驚きました。

さくらびをやってみて、今回実感し、再確認したことがあります。それは、中学生はもともと「キッズ学芸員」たるべき力を持っているということです。もともと持っているのです。

ある参加者は「中学生がこんなに嬉々として作品を説明してくれるなんて驚きました」「あんなに自分の作品を説明できるなんてすごい」と語っていました。それほど、さくらびのキッズ学芸員の姿が印象に残ったようなのです。

しかし、実は、作品解説の指導を私は全くしていないのです。今までは美術館へ全員でバスに乗って行き、学芸員の方に指導をしていただくという学習もしてきました。今年は全くしていません。

では、なぜ生徒は作品解説ができたのでしょうか。それは、長い時間、作家さんと一緒に活動し、苦労をしてきたからではないでしょうか。それほど語りたくなるエピソードにあふれているのでしょう。「コミュニケーションの能力がないのではなく、コミュニケーションしたくなる経験がないのだ」と考えていましたが、まさにそれを裏付けることとなりました。

ということは、事前学習や、スキル学習よりも、まずは経験であり、コミュニケーションしたくなる環境作りが優先されるべき、ということが照明されたわけです。