さくらびレポート204〜10年目のギモン?

櫻ヶ岡中学校の中平です。今日は、日々生徒の表現活動を見てきて、感じている疑問についてとりとめもなく書いてみます。

Nスパイラルという3年間の題材配列を自分で考案し、実践しています。3年間で鑑賞や制作を繰り返し行うことにより、3年間の最後には、自分で全てを決定して制作する力がつく、というコンセプトによるカリキュラムです。

このカリキュラムで、生徒たちは美術が好きになり、「こだわりのある自由」を楽しむ力を付けて卒業していることは事実でしょう。しかし、これを10年間続けてきて、色々な疑問を感じているのです。

・粘土で立体造形しようとする生徒が多い。粘土以外の素材で立体を作りたいと考える生徒はどう育てればいいのか。

・紙は紙、粘土は粘土、針金は針金にしか見えないという作品が多い。素材感が変わる表現力の育成は?

・一度のひらめきを作品にしてみまうのではなく、もうワンステップ発想を高める発想力の育成は?

・トレーシングペーパーをトレーシングペーパーとしてしか使うことができない生徒。どうやったら別の使い方を発見するのか?

・絵画表現で、質感表現まで高めるには?

・真逆の素材感を持つ材料で、真逆の表現をする楽しさを知るには?

・非日常的なものが一つあるだけで、空間や表現が、がらっと変わるという楽しさを知るには?

・テニス部の思い出を残すためにテニスラケットをひたすら作っている生徒。どこが表現なのか?

<つづく>