さくらびレポート236〜中学生は美術に何を求めているんだろうか?

櫻ヶ岡中学校の中平です。今日は初出勤でした。初出勤と言ってもほとんどの先生方はお休み。私は3年学級担任ですので、受験資料のようなものを制作してきました。

学校へ行く途中、書店へ寄り、本を買いました。なぜ日本人が自立できなくなったのか、という疑問の答えが、中学校教育の破綻にあるのではないか、という仮説をもとに書かれた本で、とても興味を感じ購入したのです。

その本の中で(まだほとんど読んでいませんが)、中学生にもはや画一的な指導は不可能になっているのではないか、というようなことが書かれていました。まさに私が日頃感じていることと同じです。全員が同じ内容を同じように学習していくことは不可能だろうと書いてありました。私も同じような疑問をもやもやと日頃感じています。

では、美術教育はどうでしょうか。同じように画一的になっていないでしょうか。私が今取り組んでいる美術教育のカリキュラムは、同じような題材を扱っていても、生徒自身の選択や自分で考えなくてはいけない部分が多いので、比較的生徒はよく食いついてきているように感じます。そして、3年卒業制作は、もっと食いつきが良いのです。

一般の先生方は、卒業制作の題材についてこう言います。「生徒は、自由な課題を与えられると困惑し戸惑うだろう。卒業制作は疑問だ」「うちの生徒には無理だ。自由にやらせたいがそういう教育をしていないからだ」

卒業制作がよいか悪いか別にして、自分で選んだり決めなければいけなかったりする、という活動に、生徒は意欲を感じているんじゃないか、と感じます。つまり、生徒は、自分で決めるのは難しいけど、自分で決めたい、と考えているんじゃないかとおもうのです。我々教師が感じているほど、受動的ではない、ということです。

生徒は、一体、美術に何を求めているんでしょうか??

生徒の様子を観察していると、いろいろなタイプに分かれることがわかります。

・葉っぱや靴などありえない素材を使おうとしている、いわゆる現代美術的なタイプ
・頭や手などを粘土でリアルに作るアカデミック彫刻タイプ
・ボールやラケット、家などをプラモデルのように作ろうとするプラモタイプ
・写真を貼りまくり、夢!やドリーム!と書き込むアルバムタイプ
・その他・・・・

もっとタイプはこれ以上あると思いますが、どのタイプも自分で方向を決めだし、自分なりに目標を設定しています。

生徒は何を求めているのか。与えられて、やらされているんじゃないということは十分様子を見ていてわかります。「面白いから」という単純な理由でやってくれているんであれば、本当に嬉しいことです。

もう少し観察していきたいと思います!!!