さくらびレポート259〜クリエイティブということ

櫻ヶ岡中学校の中平です。
2学年は、紙粘土と蛍光塗料を使って14歳の今・現在のココロを作ります。

この題材は、制作するために事前にアイデアスケッチをするとか、試作をするという活動を行いません。そのかわり、0歳の時のココロをまず作り、14年間の出来事を思い出すように、形を変えていきます。この活動を繰り返していくと、そのうち「自分と似ているかもしれない」形にであったり、思いついたりするのです。

今年の2年生は、紙粘土を渡されても、初めはなかなか自由な造形活動に入り込めませんでした。初めに作った0歳のまん丸の形から抜け出せない生徒が多かったのです。これでは、自由な発想を広げることは出来ません。どうしたらいいのか??

手立ての一つとして、なぜ0歳からの出来事を思い出しながら作るのか、という理由を説明しました。それだけではなく、手のみで成形している生徒が多かったのに気づいたので、「道具」を紹介しました。そうすると、あっという間に様々なプロセスが現れるようになったのです。

写真は、みずいとでくりぬいたり、えぐったりという活動を始めた生徒です。

ストローで、作品のへりの部分を成形している生徒。

まずは「こんなふうにやってみたい」と思い、それを実現するために「こんな道具でやったらうまくいくかな」と仮説を立てる。そこまで見えたら、即実践してみる。

この流れに乗ることで、人は「クリエイティブ」になれると思います。思いついたことをそのままやる段階を越えて、操作し構成し、時には編集するという行為からが「クリエイティブ」の始まりなんだと思います。

右の写真の生徒は、ひらめきが多く、アイデアを形にできるスキルをもっている生徒。このような生徒は問題なく自分のイメージをクリエイトしていくことができると思います。

クリエイティブとは何か?

願望があって、仮説があり、実践してみること。そして、一度思いついた「いいアイデア」におぼれることなく構成しなおしたり、もっといいアイデアはないかと行動したりすることではないか、と思います。