さくらびレポート261〜素材の生かし方ってハイレベル?@廃材アート2011へ向けて

櫻ヶ岡中学校の中平です。美術部では、2月13日から27日まで長野市リフレッシュプラザで行われる「廃材アート2011」に出品するため7作品を制作中です。

写真は、男子部員が一人で制作している作品。良く見ると、この黒いオブジェの本体は、さくらび2010で使われていた「クジラ」の胴体です。過去の作品も作品化してしまっています。しかし、元々の作品イメージは完全に失われていて、今作ろうとしている作品に変身しています。使えなくなった掃除機のホースなどなかなか思いつかない素材を組み合わせていて意外性があり、おもしろいです。

素材をどう生かすか?それが中学生には一つのハードルとなります。立体造形は紙粘土、絵は紙に描く・・・・というステレオタイプから大人もそうですが、中学生はなかなか抜けられないのです。素材を解体し、再構成する、というそうした思考やプロセスが本当は一番面白く、クリエイティブであると思うのですが。

写真の生徒は、ホースを構成することを思いつきました。なぜ、ハードルを越えられたのか。もしかすると、この黒く大きな存在感あふれるオブジェに意味があったのかもしれませんね。

右の写真の作品では、大型ディスカウントショップで頂いてきた「ガチャガチャ」の入れ物と、砕いた鏡を組み合わせています。注目したいことは鏡を砕いたことです。鏡を使うとしたらほとんどの生徒は反射させたり、何かを映したりする材料として使うはずです。それ以前に、鏡が美術表現の材料となるなんて、思いもつかないはずです。

生徒に聞くと、「きらきらさせたかった」から鏡を砕いたそうです。イメージがあり、はっきりとした必要感を持っています。

イメージがあっても、素材を検討し、使い方を何度も考え、もともとその素材が持っている役割を越えて、材料として扱う行為に出るために、どんなハードルを越えたのか。

そこにより高いレベルでの「クリエイティブ」なヒントが隠されているようです。