さくらびレポート269〜美術教育の生きる道

櫻ヶ岡中学校の中平です。先日、信州大学の先生が、職員を集め研修会を行ってくださいました。信大の先生が職員に「生徒会役員にふさわしい生徒はどんな生徒ですか?」と尋ねました。その後、「ご自身は、どの性格に合っているでしょうか?」と尋ねると、本校職員が自分自身がそうだと思っている性格は「まじめ」「責任感が強い」でした。本校職員自信が自分のことを「まじめ」「責任感が強い」と思っているのです。最も少なかったのは「企画力ある」「発想が良い」「行動力がある」という項目でした。と、いうことはどういうことか、というと、先生というのは、生徒に「責任感を持ちなさい」「まじめにやりなさい」というメッセージを多く発信しているということで、授業などの成績も、「まじめだから5」とかまじめじゃないから成績は3」というように、授業態度で決めていることが多いのではないかということで、学校で先生が行っている生徒評価は、ものすごく狭い基準で行われており、「企画力がある」「おもしろい」「行動力がある」といった評価基準はないのではないか、と考えられます。

そこで、美術が登場します。美術は、学校の中で、先生たちがあまり高く評価しない「企画力がある」「行動力がある」「おもしろい」「発想が良い」という価値基準をもっています。美術は、その特性をもっと生かし、他の教科や学校のステレオタイプな評価基準に無理に迎合することなく、生徒と接していって良いのではないでしょうか。そこに美術教育の生きる道、存在価値があるのだと思いました。