櫻ヶ岡中学校の中平です。3学年恒例の卒業制作「夢」。あと2時間で完成!というところまできました。
作品がほぼ完成に迫ってきています。
限られた材料の中、材料を発想豊かに使っている作品があります。写真の作品は、トレーシングペーパーに好きなアイドルの画像をコピーし、それらを何重にも重ね貼りしています。しかも、内側からライトで照らすことにいり、なんとも表現しにくい美しい映像世界を表現しています。
トレペを重ねているのですが、内側と外側に映像の奥行きを感じ、一度見るとじっと見入ってしまうような心地よさを感じます。
ここからは、どうやって内部にライトを仕込み、どうやって作品を経たせて固定するのか、が最後の一時間で完成させなければならないところです。
特別な材料ではなく、身の代わりに存在していて、一年生の時から何回も使ったことがある材料をどうアレンジして表現するのか。
これは中学生にとってとても高尚な課題です。しかし、私はあえて、多くの生徒にそこから出現してくる新しい世界を感じて欲しいと思っています。
立体作品には粘土、平面作品には紙、といった決まりきった形の発想からはなにも生まれてこないでしょう。
美術で言っている「創造的な技能」とは、一体何なんでしょう?紙をくしゃくしゃにしてみる、ボンドにパステルの粉を振ってみる、紙を固めて硬い物体を作る、など、実際に中学生が製作中に行っている行為です。
材料の本来持っている価値や意味を一段階超える挑戦から、新しい地平が開け、新しい技能が生み出されるということでしょうか。私たちはクリエイティブな世界を扱っているわけですから、単なる技能を超えた「想像的な技能」にどの生徒も到達させたい、そう考えて実践していってよいと思いました。