さくらびレポート291〜見逃すな!表出活動。

櫻ヶ岡中学校の中平です。今日も一年生「和風でゴー!」の題材の様子から、表出活動について書いていきたいと思います。

表出活動は、表現活動のレディネスとなるとても大事な「遊び」であり「学び」であり「実験」の時間であると思っています。これは、私が昔諏訪の中学校に勤務していた時感じていたことで、最近の生徒の様子を見ていて思い出したことです。

どちらかというと、学校生活になじめていない、または教師から問題だなと認識されている傾向の生徒が、授業中、よく表出活動と表現活動を往復している姿に接しています。表出と表現は一体であり、ある時期にはどちらも平行して行うことによって、表出を卒業し、表現へと移行していくのではないかと私は考えています。また、表出を思い切り行うことで、表現にも意欲が増し、新しい表現をも模索していくようなクリエイティブな姿が見られるように思います。

先日、このブログでも紹介した生徒が、今日も更に作品に何かを求めて色を塗っています。蛍光塗料を好み、以前とは違った表現を模索しているように感じます。

授業が終わりかけ、片付けの時間、その生徒が残った絵の具を混色し始めました。「おお、すごくきれい」と声を出しています。

別の男子生徒も、同じ机に集まってきて、残った絵の具を混ぜはじめました。「これ、すごくきれいじゃねえ?」とどんどん混ぜていきます。

「こうやって書いて行くとボールになるかなあ」

筆を曲線に動かし始め、立体感を出そうとしています。色が美しく混ざり合っていきます。

油絵を混色している時とおなじような美しい混ざり方。あきらかに、彼らは美的に遊んでいるのです。

ちょっと距離が離れていた二人が、近寄ってお互いくっつぃて表出活動をしています。

周りの生徒も集まって見ています。

この後、二人は、混色した絵の具の乗った紙を乾燥棚に置いていきました。乾燥させるとどうなるのか見てみたいのでしょう。

二人とも、さっきまで、細筆で緊張しながら絵を描いていた生徒です。表出活動では、あの絵の具の、ねちゃねちゃ感やどろどろ感が、どこか何か楽しかったのでしょう。表現と表出を行ったりきたりすることで、次のステップの土台が作られていると感じました。また、表出なしで表現はありえない、表出を大事にしなければ表現は求めることはできないという思いを新にしました。

毎日、本当に学ばせていただいております。