櫻ヶ岡中学校の中平です。戸倉上山田中学校が、地域ライオンズクラブの主催で、宮城県南三陸町へ支援を始めたと聞きました。驚いたことに、南三陸町の戸倉町と、長野県旧戸倉町は以前から姉妹提携をしていたんだそうです。同じ名前の街同士、自然な形で支援が始まったんですね。
実は、仙台市に桜ヶ丘小学校、宮城県に吉田小学校があることを発見。更に身近に感じております。
そこで、3月11日の震災と津波被害。南三陸町で行われていたきりこによるプロジェクト「生きる博覧会」は、震災前のアサヒアートフェスティバルでプレゼンを見させていただき、実行委員会の方々ともお互いのプロジェクトについて語り合うことが出来ました。素晴らしい人間ネットワーク作りのプロジェクトとして感激した記憶が今でも生々しいです。
そして3月の震災。全てを押し流す津波・・・。愕然としました、そして数日後に私の頭には「きりこで応援できないか・・・」と漠然とアイデアが浮かんでいましたが、誰かに話すこともはばかれ、「不謹慎なのではないか」と思っていました。しかし、4月に入り、アサヒアートフェスティバル関係者が「きりこを作ろう」と呼びかけ浅草でワークショップをしたと聞きました。そして、私は吉川さんと連絡を取り、自分のアイデアである「きりこを中学生が作り、南三陸に送る活動は良いかどうか」とメールで尋ねました。すると、吉川さんは「是非送ってください」と返信してくださいました。メールと一緒に、貴重なパワーポイントのデータも送ってくださいました。その思いを感じながら今日、部活動で、プロジェクトのプレゼンを行ったのです。
「中学生がきりこを作り、南三陸町に送る」
まずは美術部10名へのプレゼンテーションから始めました。
仙台の吉川さんが朗読台本と、パワーポイントのデータを送ってくださったので、その流れに沿って、40分間かけてプレゼンしました。
まずは、南三陸町の美しい自然ときりこを作っている人々の笑顔や、きりこの写真。
その制作にまつわる様々なドラマについて語っていきました。少し中学生には難しいかな、と思っていましたが、真剣なまなざしで見入っていました。嬉しかったです。
台本を読んでいくだけで、中学生にはきりこの持つ意味や、なぜこのきりこを自分たちもやってみる必要があるのか、心の中で考えているようです。
美しい写真のあとには、恐ろしい津波の連続写真。まるで南三陸町の叫びが聞えてくるようです。
生徒に尋ねました。
「なぜ、美しい写真と一緒に、恐ろしい津波の写真が送られてきたんだろう?」
生徒は
「ちゃんと現実を見て知ってほしいからじゃないかな」
生徒に、感想など聞きました。
「きりこが美しかったし、それにまつわる人と人との出会いがすごいなと思いました。自分たちもきりこを作って、南三陸町の人々を励ませたらいいと思いました」
「きりこを作るのは大変そうだけど、うやる価値は十分あると思った。やることで今まで知り合えなかった人たちと出会えたり、協力したり、笑顔になったり、素晴らしいものだと思った。みんなが一つのことをやって心がひとつになっていた。津波によって、今まで積み上げてきたものがなくなってしまうのは、あっけなくて、せつなかった。」
「地震や津波で家も家族もなくした人を元気付けたいです。そのためにももっと南三陸町の状況をくわしく知ることも大切だと思いました」