櫻ヶ岡中学校の中平です。3学年の「グラデーション・マジック」では、パステルを使いグラデーションで絵画表現をしています。
パステルの良いところは、絵の具と違った少しずつ混色ができるということと、指で直接描画できるということではないでしょうか。つまり比較的自分の思い通りな表現をしやすいといえるかもしれません。
しかも、どちらかというと抽象的な「どのようにも見える」形を使っているため、上手い!下手!というステレオタイプな基準の壁を超越することができます。そういう安心感の中で、生徒たちは色々な「実験」を始めます。この時こそ、美術教育では、「失敗!と思うことを生かす生き方」を感じさせることができる瞬間なのです。失敗することを恐れている生徒や、何でも計画的に計画の通りに制作しなくてはいけないと考えている生徒に「思い切って計画や見通しを持たずに、やってみたことを生かすよう思いついたことをやってみたらどうかな」と語りかけます。
美術の時間で「生き方」を学ぶとしたら、私は「失敗を消したりやり直す生き方ではなく、失敗と感じたことを生かしていく生き方もあるんだ」ということなんじゃないかなと思っています。