櫻ヶ岡中学校の中平です。美術の授業をやっていると、生徒に何を表現するのか、テーマや意図が大事だ、という話を多くしますし、言葉以外にも、そういったメッセージを生徒に伝えていると思います。
教師は、テーマや内容が大好きです。意図的制作は良いが、恣意的思いつき制作は好きではありません。最近の美術教育でも、テーマや表現の意味や内容、伝えたいことを明確にする力、というようなことが語られています。
でも、伝えたい事って、そんなに日常的に持っていませんよね。持っていないといけないんでしょうか。大人でも滅多にそんなテーマは抱いていないでしょう。
美術が好きだ、という中学生の中には、「伝えたいことはないけど、表現はしたい」「絵は描きたいけど、テーマとかはない「とにかく描きまくりたいだけ」という生徒はたくさんいると思います。そういう生徒の存在に最近気がつき始めました。右の写真の生徒はカオス・ギャラリーに取り組んでいますが、やりたいことをやりたいようにやっているように見えます。
「テーマを持たなきゃいけない」という暗黙のメッセージは美術教育をゆがませるのではないか、と自分自身に戒めをしています。