櫻ヶ岡中学校の中平です。2学年必修授業では、視覚伝達デザインの領域である「ズバリ言うわよ!」という大題材の中の、まとめ題材「ズバリ言うわよ!」を行っています。
自分が好きな言葉や人名、食べ物など、ときめく言葉であれば何でもオッケー。その言葉をポスターカラーで形と色を工夫して表現します。
発想の出発点は、自分がときめく言葉、です。
そうじゃないとおもしろくもなんともありません。
Nスパイラルの題材の発想の出発点はいつも、自分の興味や関心がある「リアル」なものなのです。
この題材での主材料は、ポスターカラー。表現方法は平塗りです。
この技法を生徒は一度学習しています。写真のモンドリアンでマドリアンがそうです。
平塗りをするための下書きのしかたや、絵の具と水の混ぜ具合まですでに学習済みです。もう一度、学習した事柄を思い出して活用してみる。それがNスパイラルです。
そして、一時間目、発想の場面。全6時間と言う短い時間しかないので、すぐ発想が始まります。文字のデザイン、という考え方は、初めて接する人は難しいと思いますが、生徒たちは前題材「漢字は感字」で経験済みなので、イメージがすぐわくようです。
Nスパイラルは、このように、題材の意味や求めていることに対して、生徒自身の理解が早い、ということが利点です。授業時数が少なくなってしまった今、教師の問いに対して短時間に生徒が自分で課題を設定することが出来るということ。とても重要なのです。
Nスパイラルの効果的な点を紹介します。
オリエンテーションしたばかりの第一時間目。あるクラス36人中、29人が、最低一つはアイデアスケッチに記入することができています。とりあえず、80%の生徒が、自分は何を求められていて、何をしたら良いのか理解しているということではないでしょうか。
次の二時間目。アイデアが決定した生徒は36人中、35人二時間目にしてイラストボードに下書きをし始めることが出来た生徒は36人中19人でした。半分以上の生徒が3時間目には色塗りに入ることが出来ると予想できます。
6時間という短い時間ですが、十分発想を楽しみ、色塗りも楽しむことが出来ると考えます。
つまり、授業を考える場合、一つの題材や授業を考えて研究するだけではなく、既習内容をつなげていく発想を持つことによって、授業時間数の少なさを克服できると考えています。Nスパイラルは十分機能していると思います。更に、発想の内容を幅広く、多様にするため、やはりカオスギャラリーのようなある面想定外の表現にも日常で触れている環境が必要であると思います。