【廊下アートセンター付属にんげん研究室】(14) – 作っても、壊しても。

にんげん研究室の小林です。

先週から続く、「怒られない破壊活動」。
キャンバスを再利用するために、デコボコ部分を削りとっています。

今日は美術部の男子2人が夢中になっていました。
最初はなかなか削りとれずに苦戦していたようですが、ものの数十分でみるみる上達。
まずは穴が空かないように気をつけながら表面だけにカッターで傷をつけて、そこにマイナスドライバーを差し込みます。それを慎重に動かしていくと、まるでみかんの皮をむくようにスーッと絵の具の層がはがれていきます。
「薄いところより、厚く重なってる方がやりやすいですね!」
と、いつの間にか彼らは自分たちでコツを見つけている様子。
教えなくとも、楽しいと思ったことは自然と学んでいくんですねー。
途中から、ぼくが教わる立場になっていました。

作業途中にはこんなセリフも。
「おれたち美術部なのに絵を壊しちゃってるよな」(笑)。

ぼくは「子どものやることは全てアートだ!」みたいなことは言いたくありませんが、そういえば、これだって意識次第で「表現活動」にもなるんだなぁと、ふと気がつかせてくれました。

もしかしたら当然すぎるからこそ忘れてしまいがちなことですが、
増やしたり、重ねることだけが表現活動ではないですものね。

比べると怒られちゃうかもしれませんが、いわゆる「彫刻」だって自然物を削り取って(美しく破壊して)、別の形に仕立て上げていく行為だと思いますし。

彼らがそういう「発想の柵」を超えるサポートするのも、廊下アートセンターの役割なのかな。と再確認しました。

廊下アートセンターは、ぶっ飛ぶ学生を応援します。