さくらびレポート231:見えないものを見える形にする。それが表現だろう。@「漢字は感字」

櫻ヶ岡中学校の中平です。2年生美術必修授業では、大題材として「ズバリ言うわよ!」を行っています。大きな流れとして、3つの小題材で構成され、共通の教育的課題である「伝える力」を育てようとしています。伝えるということは、どういうことなのか、と考えてみると、文章化されていなかったり、描かれていないものをいかに「見えるようにして伝えるのか」ということなんだと最近実感しています。「楽しい」ということを伝える場合、「友達とおしゃべりしているのが楽しい」という楽しいなのか、「好きなテレビ番組を見ている楽しい」なのか、というところを「楽しい」という言葉に登場してこない部分を可視化するのが、美術であり、つまり「表現」なんだと考えています。

さて、第2小題材「漢字は感字」の導入の遊び的題材は、墨を使っての遊び「水ボワっく画」です。漢字一文字が書かれた紙をくじびきし、その言葉を書くのではなくイメージを、筆以外の道具を使って、習字紙に表現しました。

ここで大事なのは、絵画的にどうのこうのよりも、「どんな○○なのか」ということを意識して表現しているか、ということです。

いろいろユニークな作品が出現しますが、表面的なおもしろさやユニークさを感じつつ、「どんな○○なのか」を時には教師との会話や友達との会話の中で聞き出しているのか、話題になっているのかが重要なのです。決しておもしろい作品だけを作ろうとしているのではありません。ここがポイントです。

これは、ある女子生徒の作品。

くじ引きした言葉は「喜」。

本人に「どんな喜なの?」と尋ねると、すぐ答えました。

「子供が生まれるときの喜びを表現しました。」

な、なんと!