さくらびレポート249:考えるな!感じろ!まずはやってみよう!@「漢字は感字」2学年

櫻ヶ岡中学校の中平です。美術教師としての私は(美術教師なら皆そうかもしれませんが)、授業の時、そうしても「自由」や「発想が大事」「個性」という言葉を乱暴に使ってしまいます。それらの言葉を今、一体どういう使い方をすることが、発想が苦手であったり、思考が先立ってしまうが故に感性で行動できなかったりする中学生にうまく伝えることができるのか、そこを試行錯誤しています。

私も、自由になるための段階が存在し、言葉やきっかけ一つで不自由にも、自由にもなりうるんだということを考えながら、できるだけ多くの生徒に「自由な発想の仕方」「みんな多様なんだから、その多様性を発揮するための選択肢があるんだよ」ということを授業で伝えたいと考えています。

今回、2年生のあるクラスで、漢字は感字の本番制作をしました。キーワードは、「漢字を使っているけど、書かれていない部分が表現であり、○○な雨の形容詞とか、雨が○○になっている、降っている動詞を表現するんだよ」ということです。

そのキーワードで色紙に本番制作をしてみました。

そうすると、驚いたことに、多くの生徒が何枚も練習をし始め、友達同士で「これ、どんなふうに感じる?」「どんな風に咲いているように感じる?」と実験しては、意見を聞き、実験しては、画面構成を変更や修正をする、といったまさに私が求めている「クリエイティブな活動」を始めたのでした。驚きました!!

作品が提出されましたが、私は授業の最後で生徒全員にこう話しました。

「今日の君たちは全員素晴らしかった。結果は、思い通りにいったかどうかはわからない。でも、全てのプロセスがクリエイティブで、試行錯誤を繰り返し良かったと思う。人に意見を聴いたり、やり方を変えてみたり、道具を変えたりしていた。それが発想するってことだし、そうしているうちに必ずアイデアは生まれてくる。次からもその方法を続けていこう」。