学校と言うところは、いろいろなバイアスが働いています。一番影響が大きいバイアスは「正解」を求めると言うこと。正しい、か、間違っているか。二者択一の場面を、授業のみならず、生活面でも、常に求められているようです。
この「正解信仰」は、実は美術の授業でも存在しています。
私自身、中学生の時そうでした。まわりの友だちが何をしているか気になり、見に行き、誰もやっていないことをやったり、平均値を割り出して、そのちょっと上をねらおうとか。
その方法も刺激的なんですが、集団に合わせて正解を求めていることは、ずっと創造的ではないと思っていました。
写真の生徒は3年生。どちらかというと悩みながら、でもあまり悩む時間をじっくり作らずにすぐ正解を作品という形にしていました。
まずは、ネコのアイデアスケッチをしました。
その後、あれこれ構成を変えながらひらめきを絵にしていくうちに、構成が変わってきています。
構成することで、何か伝えたいことを明快にしたいようです。
ぐっと、対象がしぼられました。
ネコの手が主役になりました。
今まで漠然と「ネコ」というイメージをもっていたのが、一歩外へ出て、自分の興味のある部分が絞られました。
でも、いつもと違うのは、ここですぐ本番の制作に取りかからないと言うことです。
書きたくなる気持ちを少し我慢して、この生徒はもう少しスケッチをしています。
大きくクローズアップされました。まるで、四角い画面にぐっと自分自身が近寄って、窓の中をのぞき込むように。
色が付きました。
もうすぐですね。