「感覚派の君は、直感で動けばいいんだよ。直感でおもしろさや、やりたいことは感じているんだから!」
「はい!」
学校教育って、「考える」ということを強調し、感覚であったり、直感で動いている生徒を「落ち着きがない」とか「もっと考える力をつけさせなきゃいけない」と言って、注意してしまいます。私は美術教師ですが、今までそんな失敗を続けてきてしまった「張本人だと感じています。
ですので、今は感覚派や生徒に対して接し方を変えてみました。
感覚を大切に。直感でいま感じていることを大事にしてみよう。
写真は、野球大好き3年男子のH君。正真正銘の感覚派。長島タイプ。彼が「何をやったらいいかわからない」と悩んでいたので、私は「考えるから悩むんだよ。考えても何も出てこないよ。でも、感覚派の君は、すでに直感で何をやったらおもしろいか感じているんでしょ。それをやったらどうかな」と言うと、彼は「はい!!」と答え、次の授業で持参したのが、写真のボールです。数十個あります。
このボールは、昔、彼がティーバッティング用に、バッティングセンターからいただいた思い出のものだそうです。寒いのに、水道水で一個一個手で洗っているのです。
「はぶらしで洗うと早いぞ」と言っても「いや、手で洗う感覚がいいと思います」と彼。
よっぽどはまっているんですね。
写真をご覧下さい。昨日の授業で一気にかきあげた彼の「思いつきスケッチ」。
バットの上にボールがピラミッド状に置かれ、まるでモニュメント!祭壇のようです。
感覚を大切に・・・。と言いながら、私は美術の授業で思考を強制してきたかもしれません。感覚こそ大事だ、と彼に学ばせてもらいました。