三津浜ロケハン顛末記

風薫るというけれど、ロケハンを行った4月28日はホントに風薫る春の一日でした。
午前9時にアート蔵で待ち合わせをした「三津浜ロケハン隊」6名(アーティスト:朝井、ワタナベ、石原、カコアスタッフ:藤田、田中(途中合流)、井川)は「三津浜の記憶の深淵」に迫るべく、三津浜界隈をポカポカと散策に出かけました。

まず訪れたのは「木村家」。昨夏、東雲女子短期大学の学生有志によって期間限定のカフェに生まれ変わった木村家は、いい年したオヤジたちにとって(若者の石原くんスミマセン)、格好の宝探しの場へと・・・。ロケハン隊もこの時点で、「オヤジ探検隊」に変〜身。蔵からお宝が、わんさか出てくるワ。

昨夏の大掃除では、母屋の二階から戦時中の軍服が発見され、永い眠りから醒めて、「鯛や」の二階で展示され、多くの人たちの目に触れました。このように木村家の蔵には戦前に使われていたのか、電蓄?(電気蓄音機)も無造作にホコリを被っていました。今でも美空ひばりが聴こえてきそうな、オツな一品でした。

母屋の二階の障子を開け放つと、爽やかで穏やかな漁村の春の風が、静かに静かに、ソヨソヨとそよいでいました。畳の上に大の字になって、しばらくそよぐ春の風に身を任せていたい、そんなひとときでした。

木村家を後にして、三津の渡しへ。ポンポンとエンジン音を水面に漂わせながらやってきた渡しに乗船して対岸へ。廃墟に興味津々の朝井さんは、廃船を狙ってなのか、カメラのシャッターを押していました。そんな朝井さんも、美しくも可憐なラベンダー色の花には惹かれていたようです。石原くんは、生まれ故郷の倉敷を想い出したようで、三津の風景・風情と倉敷の光景が重なって見えたようです。

その後瀬村製材倉庫を訪れて、ひんやりとしたその空間のバイアス(圧力)に圧倒された「オヤジ探検隊」でした。

アート蔵にもどり、ワタナベさんはイメージが膨らんだのか、Tシャツをツールにしたワークショップのプランやアイディアが沸いてきたようでした。こうして、楽しみがドンドン膨らんでいきます。

アート蔵をあとにして、ワタナベ、石原、藤田、井川の4名は「鯛や」でお昼ごはん。
相変わらず、当然のことながらご主人の森さん、「おいしくて、絶品でしたよ、鯛めし。」鯛めしをほうばりながらひとしきりロケハンを振り返ったり、アート談義に華が咲いたりと、楽しい「昼餉(ひるげ)」でした。お疲れ様でした、そして、ご馳走様でした。(笑顔)
(井川雅人)