ヤミーダンス「少しお時間ください」

27日、我らがヤミーダンスの丸亀公演「少しお時間ください」を観に出かけた。
これは丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催されている企画展「奏でる身体」の関連企画で他に近藤良平(コンドルズ)のワークショップなどもおこなわれた。
展覧会は、ここ20年のコンテンポラリーアートの焦点の一つであった身体・身体感覚・身体と社会などのテーマに、具象から抽象、インスタレーションにいたるまで様々な切り口で迫るもので、個人的には、塩田千春の一連の作品群が印象に残った(企画展は6月24日まで開催)。

ヤミーの舞台は宇都宮忍のソロ「ガールズドントクライ」の再演からはじまり、客席との掛け合いも楽しい即興ライブ「ア・パート・メント」、そして「kNEWMAN‐MIMOCAスペシャル」で締めくくられた。
それぞれの作品は前回上演よりも確実に進歩し、とくに劇場空間(必ずしもダンス公演に適した空間ではなかった)でのつくり込みや、多様な観客層を意識した構成など、ヤミーダンスのカンパニーとしての成熟が感じられた。
と同時に、カンパニーの曲がり角を感じさせる材料も見え隠れした。3演目中で最も印象にのこったのが、やはりインプロビゼーション「ア・パート・メント」であったこともその一つである。これは今まで、ヤミーのメンバーひとりひとりのスキルの高さと才能が、公演を支えていた証左である反面、数年前に比べて身体のキレがなくなってきて、高速の動きにやや力みが感じられる現状では、今後、同様の手法を継続できるかどうか。

恐らく、今回の緊密な構成や再演のつくり込みは、ヤミーなりの解答のなのだと思う。
これからどのようなカンパニーを目指すのか。変化し進化していくヤミーダンスから目が離せない。(toku)