「ことのはの杜展in越後妻有・十日町情報館」

行って来ました、越後妻有。ついでに「勝手に」展示もして来ました。
雨の中、22日早朝6時仙台発の新幹線に乗り、大宮〜越後湯沢〜十日町。しかし9時には到着。「ながのアート万博」の宮澤真さんといいだごうさんと私の3人で十日町情報館での展示会場設営を午後まで行い、その後十日町キナーレ〜商店街へ。公園でレアンドロ・エルリッヒ氏が大作を設営しているところにでくわしました。氏から作品に乗ってみて、と言われていろいろためしてみたり。
その後、松代の野外展示を見学。土地のお祭りがあるというので行ってみることに。ゆるゆるとした間隔の花火と、あんまり車もないのにすごい人出。みんな土地の方のようで、夏祭りをすごく楽しんでいました。

夜は作品のひとつでもあるナカゴグリーンパーク内のコテージ泊。本当は予約いっぱいでトイレすらついていないバンガローの予定でしたが、大雨の影響かキャンセルが出たということで、すごくおしゃれなコテージに泊まることができました(が、ふとんは持ち込み。冷蔵庫もなし)。
夜遅くまでアートについて熱く語り合った翌日は、うそのように晴れわたり、夏到来といった感じの中、松之山エリアへ。キョロロやボルタンスキーの旧東川小学校を見学。

北川フラム氏のねらい通りというべきか、アート展を見るというよりは、越後妻有の里山を散策するついでにアート作品も見られるという感じで、おそらく300をこえる作品の1割程度を見られたかどうか。しかしなるべく多く回ろうという気持ちもいつしかそのあまりに広範囲かつ多数の展示に、今現に目の前にあるおもしろいものだけでいいんじゃないかと思うようになりました。
十日町情報館に展示した自分たちの作品はほとんど放置状態。

しかしこの十日町情報館は、人口6万のこの町で、実によく人の出入りする場所ではありました。図書館を主体とした施設で、仙台で言えばせんだいメディアテークのような存在なのでしょうか(といっても仙台以外の人にはわかりませんが)。次々に人が本を借りに、勉強をしに、お茶を飲みに、そして子どもはゲームをしにやってきます。

5時の閉館時間で展示をすべて撤去、短かった2日間の会期を終え、しかしこのアートトリエンナーレのおこなわれている地でわれわれがいちばん印象深かったのは、情報館近くの公園をなにげなく歩いていたときに出くわした、町の方々のやっているバーベキューでした。
それは20〜30人あまりの方々で、夕方、ご近所で誘い合わせて自然発生的に行われているようなバーベキュー大会で、おそらく私が子どもの頃には子供会の行事などで、ふつうに行われていたものではないかと思うのですが、こんな肩の力のぬけた「イベント」はひさしぶりに目にしました。そしてそんな「力」が、この土地を支えているのかなぁと勝手な想像をしながら、十日町を後にしました。

(コメント:門脇篤