「GOTEN GOTEN 2006 アート湯治祭」9月の企画「みんなで楽しむ音楽ワークショップ&ミニ・コンサートin潟沼」(参加希望者募集中。前日には鳴子御殿湯駅でコンサートも)で、日本一酸性度の高いこの神秘の湖に、「音楽の視覚化」「音楽と美術のコラボレーション」をコンセプトとして、毛糸の五線をかけます(イメージはこちら)。方法としては、岸からボートで五色の毛糸をひっぱって沖まで行くというもの。今日は企画した作曲家の大場陽子さんと潟沼にあるレストハウスへその説明をし、実際にやってみることにしました。
ちょうどおりよく千葉から同じアサヒ・アート・フェスティバル(AAF)2006の全国プログラム「千葉クリエイティブ・クラスター」を主催されているコミュニティアート・ふなばし下山さん、山本さん、宮澤さんの3人ほか、PEELERの横永さん、湯治アーティストの田中真二朗氏、宮城教育大の渡辺さんなどが「光の盆」を見にいらっしゃっていたので、これ幸いと手伝っていただくことにしました。
漕ぎ手は若きアーティスト田中氏。屈強な雰囲気が買われてのことですが、しかしここで思わぬトラブルが。漕いでも漕いでも毛糸を引いたボートは進みません。田中氏、大汗をかいて「これが限界」。
摩擦力が限り無くゼロに近い水上では、あんな細い毛糸をひっぱることにすら、たいへんな力学的エネルギーを必要とすることにはじめて気付きました。岸にもどってはまた漕いでと、あれこれ試行錯誤を繰り返した結果、岸から10メートル程度の地点でがまんすることにしました。また、ボートの上にさおを立てるというプランでしたが、岸に5本のさおを立て、これがボートまですべり落ちるというプランへ変更しました。
また、当日はフルート、トランペット、テューバの3つの楽器を使って演奏が行われますが、それぞれの楽器の音色を毛糸の色で表現するワークショップとして、参加者がこれと思う色の毛糸をそれぞれ好きな楽器に結び、その状態で演奏を聴くということになりました。
楽器に結ばれた毛糸は湖面に浮かぶボートへとつながっているさおに結ばれ、音の波動を表わします。音楽にとっての音、美術にとっての色は、いずれも波動という物理現象としては、同一のものなのです。
雨天時には東鳴子会館で、同種のワークショップを行う予定です。そのおりには、楽器に結ばれた毛糸の先は、会館天井へと結ばれます。
(コメント:門脇篤)