毛糸で結ぶ「街かど美術館 アート@つちざわ」

昨日と今日、岩手県花巻市東和町土沢地区で毛糸の設置作業を行ってきました。今週末の10月7日から来月11月5日まで行われる「街かど美術館 アート@つちざわ」のためのもので、文字通り町全体がアートスペースになります。参加者は約170名。しかしコンパクトな町なので、展示場所が散在している感じがせず、1日あればじっくりすべて見ることができます。
私が出したのはまた性懲りもなく毛糸を結ぶもので、写真は稲刈りあとの稲をかけて天日干ししている「ハセ」から刈田へかけた毛糸のインスタレーションです。

町の裏通りを流れる鏑用水という水路があり、これが町を通るJR釜石線とクロスするポイントがあることから、私はこの水路にえんえんと毛糸の枕木をかけていき、一枚目の写真にある田んぼへとつづくようにしようと考えました。
水路は100メートルほどつづいており、一軒一軒水路沿いの家に声をかけて毛糸をはらせてもらいます。それは展示場所の確保というよりは、町の方への作品説明といった感じのもので、とにかく驚くほどみなさん協力的。私としては、いつもそこにあるものを毛糸を結ぶことによって見えるようにしたいと思うのですが、いろいろどかして片づけようとしたり、水路の掃除をはじめたり、雑草とりをはじめたり。

また、どれくらい水路上の毛糸が進んだか何度も見に来る方がいたり。
いろとりどりの毛糸を結んで歩く人間は、どうしても悪人には見えないようで、ほのぼの系のコミュニケーションが成立してしまいます。猫も寝てます(写真)。
夜は高山登氏とお寺に泊まって、みんなで芸術談義。昼は町の食堂で野菜炒め定食。
なんとか夕方までに毛糸をはり終えて土沢を後にしました。
ちなみにこの企画とは関係ありませんが、土沢には現在ドイツから中学生が来ていて、この後鳴子へ来るそうです。

(コメント:門脇篤