通い湯治その148「鳴子御殿湯駅」

JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅は川渡駅の隣。かつては東鳴子駅と呼ばれていました。
2003年、東鳴子の地で、旅館や商店、町内会といった垣根をはずし、みんなでまちづくりをしていくグループをつくろうと若旦那たちが立ち上がり、04年、これに動かされたJR東日本仙台支社が全面改築を行ったのがこの駅です。

木のよさをいかした、とてもユニークな駅舎はいまや東鳴子のシンボル的存在です。
ここは湯治場の玄関口であり、逆に帰る人にとっては自分の日常への出口であり、また到着する人を待つ場所であったり、現代音楽の奏でられるコンサート会場であったり、現代美術作品が展示されるギャラリーであったりします。

2006年もこの場所、そして湯治場を舞台にいろいろなことがありました。出会いあり、別れあり、楽しいことやうれしことあり、悲しいことや辛いことあり。ここはそうした人生が繰り広げられる「舞台=湯治場」です。
ゆめ会議のリーダーであり、旅館大沼5代目湯守・大沼伸治さんの言葉を思い出します。「私たちはここで自分たちがやっていることを外からながめているんです」。

来年もここではいろいろなことがおこるのでしょう。
2006年が静かに過ぎて行きます。

(コメント:門脇篤