通い湯治その157「鬼首小学校・総合的な学習の時間」

東鳴子からさらに秋田県・山形県の県境へと30分ほど行ったところにある鬼首(おにこうべ)の鬼首小学校へ、6年生の総合学習のお手伝いへ行って来ました。
6年生は卒業制作として、これまでさまざまな角度から自分たちの住む鬼首地区の調査・学習してきたそうで、それらをもとに、「未来の鬼首」と題して、自分たちの企画を提案し、その実現可能性をさぐります。
私がお手伝いをしたのは鬼首の写真集をつくって、外部の人に鬼首について知ってもらったり、美しい鬼首をのこしたりしたいと考えたグループで、他にもカブト虫が集まる林をつくる「カブト虫植林」(実際、実現できないか地域で検討するそうです)や鬼首の食材を使った特産品づくり、鬼首の自然を守る看板づくりといったグループがあって、それぞれ講師を招いてアドバイスを聞き、実現に向けて具体的な取り組みをしていました。

写真集のつくり方などについて簡単に説明した後、みんなが冬休みの間に撮って来たという写真を見せてもらい、またお互いに見せ合ったりしながら、どんなものをどんな風につくりたいかイメージしました。
うけていたのは、お互いをモデルにして撮って来た写真で、そのほか「おじいちゃんが屋根にあがれって言って、友達を屋根にあがらせて勝手に撮った」とかいう写真などもあり、なかなかみんなユーモアがあります。
その後、「きつね森」へと写真を撮りに行くことになりました。

「きつね森」は公民館の大沼幸男さんらがいろいろやっている「王国」で、正確には「きつね森」と呼ばれる山と、以前は山だったところが鳴子ダムの建設のために削られて平原になっているところ(「うさぎなんとか」)からなっています。「コンコン館」と呼ばれる小屋があり、その隣には「アートin湯治(AIT)」で田中真二朗さんがつくった作品がしっかり展示されていました。
現地に詳しい方の案内で、最近建てたという神社まで行ってみることになりました。

みんなも「きつね森」ははじめてとのことで、「かんじき」をはいて出発。きつねの足跡を見たり、炭焼き小屋を見たり、雪合戦をしたりしました。なかなかいい写真が撮れたのではないかと思います。

これら6年生の企画発表は、来月22日に行われるとのことで、わざわざ早稲田大学の宮口先生という方も見に来るそうです。
6年生の担任・佐藤先生は、総合的な学習の時間が求めているのは「企画力」なのではないかという考えから、子どもたちの取り組みを単なる学校内の発表のための発表に終わらせたくないと言います。可能な限り実現できるものは実現の方向へ、また一般に見せるために制作したものはなるべく多くの人の目に触れるようなしかけをしていきたいとのことで、「GOTEN」などでもできた写真集を発表する場があればいっしょに展示するなどしていきたいと思います。

(コメント:門脇篤)