アートin湯治(AIT)ドキュメント⑯ 「東鳴子湯けむりストリート」

間があいてしまいましたが、先月行われた「GOTEN GOTEN 2007 アート湯治祭」の美術企画「アートin湯治(AIT)」のレポートのつづきを。

「アートin湯治(AIT)」4日目、9月1日に行われた「アート・ツアー」、高橋健太郎さんの木彫作品につづいて披露したのは、東鳴子温泉街の両脇に立つ街路灯にぶらさがった「湯けむり」。計27個あります。

この作品は、以前、長野県小布施町にある禅寺で「雲」をつくって浮かべたことがあったので(右図)、「湯けむり」に見立てて浮かべたらさぞおもしろいだろうと発案したものです。

シーツを縫って中に風船を入れる、というもので、シーツは鳴子が旅館で大量に出てくるそうなので、東鳴子の「細谷クリーニング」さんにご協力いただいてたくさんいただき、これを東鳴子親交会(町内会)婦人部のみなさんに、それぞれのセンスで縫っていただきました。
昨年は温泉街に毛糸を結んだのですが、脚立にのぼったりと男性陣が活躍し、婦人部は炊き出しなど縁の下の力持ち的存在だったので、今年は婦人部のみなさんをメインにやってもらいたかったのです。
右はできあがった「湯けむり」に「ハトメ」をつける宮城県旅館組合青年部のメンバー。
中に風船を入れたのは婦人部はじめ東鳴子ゆめ会議のメンバーやお子さんたち。
そして街路灯に設置したのは東鳴子の「中村電気」さん。
本当に街のいろんな方の手を借りてつくりました。

この作品はその後、10月6日、千葉県船橋市の山口横町にある本町四丁目公園というところに展示されました。
船橋とのご縁は、昨年、「コミュニティアート・ふなばし」のみなさんが東鳴子へやってきてくれたことにはじまり、それが今年の「AIT」へ鷲野礼奈さんはじめ「あらら。」のみなさんがやってくるきっかけになりました。
そしてまた、山・東鳴子から湧き出たお湯と湯けむりが、流れ流れて海・船橋へとたどり着き、再び「雲」となって山へ雨を降らせる、という循環の物語でもあります。

なお、「湯けむり」はまた里帰りし、10月下旬に行われる鳴子中学校での文化祭にも出展される予定です(文化祭へは、地域の方は入れますが、一般の方はご遠慮いただいているようです)。

(コメント:門脇篤