アサヒ・アート・フェスティバル(AAF)2007の報告会へ出席してきました。
見えてきました。アサヒビールですね。
「GOTEN GOTEN 2007 アート湯治祭」もAAF参加の全国プログラムのひとつで、AAFはそうした「まちとアート」をテーマとした全国のアート・プロジェクトをゆるやかに結び、ネットワークをつくっています。
「アート湯治祭」は「りくとうアートライン」(〜12/9)、「第3回ごてんゆ映画祭」(12/2)とまだまだつづきますが、AAF自体は9/9で終了しており、会期中どんなだったか参加プログラムが報告を行います。
写真は「アート湯治祭」のブース。
今年はじめて企画された「検証チーム」による全国プログラムのモニタリング。その成果を披露すべく、自分が回ってきた企画についての説明を行うことで、「40分でわかるAAF」というのがまずは行われました。
私も今回このチームに入っていて、北海道の3企画を回ってきたのでその報告やインタビューを行うとともに、「アート湯治祭」についても説明しました。
自分のところの企画に忙しいことが多いので、こうして他のところがどんなことをやったかわかると本当におもしろいし助かります。
その後、2度のパネルディスカッションが行われました。
まずは「アートプロジェクトが生み出すもの〜AAF2007とはなんだったのか〜」。東日本5箇所で行われた「夏の旅プロジェクト」の吉川由美さんほか、「とがびプロジェクト」の中平千尋先生、「淡路島アートフェスティバル」のやまぐちくにこさんらが事例紹介を行いました。
「いつもは冷静な職員が、とてもたいへんなはずなのに、企画にかかわることでものすごく生き生きしたのをみて、これがアートのパワー、アーティストのパワーなんだと思った」という吉川さんの報告や、一方的な作品解説ではなく、来場者と対話をしながら鑑賞し、ともにその場で過ごすことを目的とするアメリア・アナレス型の対話型鑑賞を中学校の生徒が「キッズ学芸員」として実際行ってしまっているという報告を聞き、アートのもつ力を改めて感じました。
次に行われたパネルディスカッションは、「いま、アートについて話そう」と題されたもので、企業メセナ協議会の荻原康子さんをモデレーターに、美術ジャーナリストの新川貴詩さん、アーティストの藤本由紀夫さん、そしてP3の芹沢高志さんによるものでした。
藤本さんは今年参加したベネチア・ビエンナーレでの現地展示で、スタッフが「手伝う」という感覚でなく、「一緒につくっていく」感があったことをたいへん喜んでいました。
新川さんは今年各地で行われた国際アート展をくまなく見てきたということで、特にドクメンタの報告をしてくれましたが、アートと観光名所、そして市民のリアルな生活という3つを来場者に体験できるような仕掛けがおもしろかったと述べていました。
芹沢さんは、最近思い出すんだが、とAAFがはじまった頃に行われた、ひたすらアーティストでない人がステージにあがり、アーティストはアート以外のことをやりつづけるという企画展について荻原さんとともに言及し、どうもあれがAAFの原点だったように振り返って思う、というような感想をもらしていました。アーティストではない普通の人の中にあるクリエイティビティを引き出すこと、それが「まちとアート」の醍醐味であり、意義であると。
(コメント:門脇篤)