5月に入り、コーヒーの木々は赤く色づいています。コーヒーの実を一粒づつ摘み、皮を剥いて、一晩寝かせ、きれいに実を洗い、ごみを取り除き、天日に干します。
一日では乾ききらないので、夕方にはコーヒーをしまい、太陽が出た日にまた天日に干します。一杯のコーヒーを飲むためにこんなに労力がかかっていたなんて、実際に作業に毎日関わってみて初めて知りました。
しかし、この大変な作業がなんともスローで幸せな仕事なんです。
コーヒーの実を摘むとき、日陰をつくる木々には多種類の鳥が飛んできて、美しい歌声を聞かせてくれます。木々の合間から太陽の光が降り注いだり、ときには雲霧林ならではの霧に包まれることもあります。
コーヒーの皮をむくとき、コーヒーの実を洗うときには、今日起こった楽しい出来事を話し合います。コーヒーの実を天日に干すときには、太陽が出てきてくれたことを本当に喜びます。
コーヒーの実をしまうときには、明日もまた太陽が降り注いでくれることを願いながら一日を終えます。一日の作業を終える頃には、くたくたになっているのですが、なんともいえない充実感を覚えます。
コーヒーの収穫はまだ約一ヶ月は続きます。このコーヒーが日本のみなさんにおいしく飲まれることを想像しながら、明日もまたコーヒーを収穫したいと思います。