観光と自然のバランス

私たちがブータンGNHツアーで訪れた時期は、ティンプーのツェチュ祭と重なっていたので、ティンプーはすごい人でした。東に移動するにつれ、観光客もまばらになり、トンサからシェムガンにかけては、往復ともにほぼ観光客とすれ違うことはありませんでした。

そういえば、ブータンではよくあることらしいのですが、私たちはロイヤルファミリーとすれ違いました!(日本ではありえなーい)プナカからトンサへ行く途中、4代国王の王妃様の車と、プナカからティンプーへ戻る途中、第5代国王のお車と・・。私はどこを見ればいいのかよくわからず、26歳国王のお顔を見る機会を逸してしまったのですが、きちんとチェックできた参加者たちは「黒いゴを着てた!サングラスをしてた!」と興奮していました。(ガイドのペマさんは、その日黒いゴを着用し、サングラスをかけていたので、「自分の洋服センスと同じだ」と何度も主張しましたが、ツアーメンバーに流されていました・・・笑)

今回の旅で、もうひとつびっくりしたのは、稀少動物とガイドブックに書いてあるような動物や鳥にいっぱい出会えたこと。特にトンサからシェムガン、ブリにかけての道中は、ゴールデンラングールに行きも帰りも出会い、写真を撮ってくれといわんばかりに、じーっとカメラ目線を向けてくれました。(群れでいた!)

その日のシェアリングサークルでツアーメンバーと話したことが、ブータンがもっと観光政策に力をいれ、あるいはもっとシェムガン以東に観光客がくるようになったとき、この自然環境は私たちがみたのと同じ状態でいられるだろうか?ということ。

完全にツーリストのエゴですが、「見たい」(からツアーで訪れる)、「でも失われてほしくない」という矛盾。ツーリズムそのものの課題でもあり、どれだけ生態系にインパクトを与えずにその生態系から学びを得られるかということなのでしょう。

ブータン王国観光局が掲げる「high quality,low volume」は、公定料金を設定することでバックパッカーには敷居の高い国になっていることは事実ですし、飛行機会社が1社しかないので座席が完売したらそれ以上の空路の入国手段はありません。

「観光客を拒むわけではない。」というペマさんの主張どおり、確かに自動的に生態系を守るシステムになっているのかもしれません。