ブータンの新聞は、これまで国営の「クエンセル」のみでしたが、2006年から、ブータンタイムス、ブータンオブザーバーの2社が加わり、情報の民営化がはじまりました。
ペマさんが、そのうちの1社、ブータンタイムスの主幹、テンジンさんとのアポをセットアップ。ふと思いつき、「ブータンの実情を話していただけるのはうれしいけど、逆にナマクラのスローツアーのことを記事にしてはもらえないかなあ?ブータンの人にとっては、なんで日本人がわざわざブリ村までいくのかきっと不思議だと思うんだよね」とペマさんに提案。
ブータンタイムスのオフィスは目抜き通りの博物館の隣に位置してました(びっくり!ついでにペマさんのブータンエンシェントツアーズののオフィスも目抜き通りのビルにあり、びっくり!!)
9月23日、ティンプー・チェチュを見学した後、オフィスで休日のところテンジンさんにお越しいただき、ブータンの昨今をレクチャー&質問。民営新聞の強みとして、政府側からの情報のみならず、市民に立った情報発信をめざすという意気込みの一方、まだまだ資金繰りが厳しく、ニュース購読者と広告収入だけではビジネスとして成り立っていないという本音も飛び出しました。
現在、ブータンタイムス社としては、新聞事業のほかに、広告デザイン、印刷などの事業で何とかやりくりしているとのこと。ライターは9人いて、全国の記事を拾い集めて、日曜日に発刊しているそうです。(なんと日本人のデザイナーさんもブータンタイムスのスタッフなのだそう!)
ツアー参加者からの質問のあと、私たちの自己紹介として、ナマケモノ倶楽部のこと、GNHツアーのこと、なんでスローとGNHなのか、今回のツアーの目玉(ブリ村)などについて、つたない英語でお話したところ、「ナマケモノ?おもしろいっ!!」と編集長のツボのはまった模様で、「ブリ村に記者は同行させるのは難しいので、帰りにティンプーでぜひ取材させてね」とエールを受け、オフィスをあとに。
そういうわけで、ブリ村でのペマさんと事務局・ババナオコは、「新聞に掲載されるような写真を!」と意識してあれこれ撮り(アラやシンチャを飲んでいるのはやらせではなく、ブリ村では四六時中、お茶のようにいただきました。)、ティンプーで「ブリはどうだった?ブータンの印象は?日本ではスローはどのように受け取られているの?」などのインタビューに応じます。
帰国して2週間。ペマさんから「掲載されたよー」とでんわがかかってきました。そこで知ったのは、ブリ湖でGNHに想いをはせるツアー参加者の写真になるはずが、じゃじゃーんとミツユビナマケモノに。もっと驚いたのは、なんと、新聞記事を読んだ4代国王が、ペマさんに電話をじきじきにかけてきて「おもしろい記事だね」とコメントを伝えたそうなのです。「受話器を落とさないようにするのが大変だった」と興奮して伝えるペマさんに私たちもびっくり&ハッピーに。
英語記事はコチラで読めます。