みなさん、試練の時ですね。社会にとって、だけではなく、ひとりひとりにとって。
陸前高田の河野さんたちのことが頭を離れません。あの200年以上の蔵が微生物たちとともに海にのまれてしまったんですね。河野さんご一家のご無事を祈ります。

以下、美浜の会、アイリーン・スミスさん&Green Action、そして京大原子炉研の小出裕章さんのメッセージを転送します。ちょっと長くなりますが、どれも大事なことだと思うので、最後まで読んでください。アイリーンさんの英語サイトは、日本語の情報に比べて、とても透明感があります。英語のわかる方はぜひ。
今こそ、外からの視点、エコロジカルでホリスティックな視点、が重要だと思います。
ぼくのところに、海外のいろいろな人からメールが来ています。ウラン採掘計画に対してたたかっているカナダのモホーク民族の友人たちが、日夜大地に向けて祈りをささげてくれているそうです。

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 福島第一原発1号機の炉心溶融・爆発事故に関する
 美浜の会声明(2011.3.12)
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福島第一原発1号機の炉心溶融・爆発事故は最悪の事態です。
テレビを見ていると、腹立たしい限りです。
はっきりした情報も伝えず、安全に問題はない等々を垂れ流しています。

美浜の会では、声明を出しました(本日12日 18:50)。
こちらです http://www.jca.apc.org/mihama/

このメールの最後にも、声明の全文を付けています。

福島第一原発1号機の炉心溶融・爆発事故糾弾!
最悪の事故を予想できていながら、深刻な事態を隠ぺいし、
住民避難を故意に遅らせた政府、東電の責任は重大

周辺住民を速やかに避難させよ!
事故に関する情報を全て明らかにせよ!
原発は巨大地震に耐えられない。全ての原発を停止せよ!

この声明は、首相官邸/保安院/原子力安全委員会/東電/関電/経産省記者クラブ/各社 マスコミに送りました。

皆さんも、まず思いを表明しましょう。

首相官邸 FAX 03−3581−3883
原子力安全・保安院 FAX 03−3501−8434
原子力安全委員会 FAX 03−3581−9835
経産省記者クラブ FAX 03−3503−6938
東京電力・本社原子力センター FAX 03−3596−8539
関西電力 FAX 06−6446−9304

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声 明 (2011.3.12)

福島第一原発1号機の炉心溶融・爆発事故糾弾!

最悪の事故を予想できていながら、
深刻な事態を隠ぺいし、住民避難を故意に遅らせた政府、東電の責任は重大

周辺住民を速やかに避難させよ!
事故に関する情報を全て明らかにせよ!
原発は巨大地震に耐えられない。全ての原発を停止せよ!

2011年3月12日(18:50) 美浜の会

 3月11日に起きた三陸沖を震源とするマグニチュード8.8の巨大地震
は、東北各県

と関東地方に未曾有の被害をもたらしている。約700㎞の活断層が連動して
動き、地震のエネルギーは、関東大震災の約30倍、阪神淡路大震災の約180倍にも達 し、10メートルを超す津波が襲った。地震の破壊力によって、人的にも物的にも東北地方を中心に壊滅的な被害が生じている。そのような中、福島第一原発1号機では、炉心溶融という最悪の事故が起こり、爆発によって原子炉建屋は吹き飛び、セシウムやヨウ素などの放射能が大気中に放出されている。最悪の事故を引き起こしたことに、強い憤りを覚える。

原子炉の冷却不能状態が長時間続き、炉内の温度と圧力は高まり、12日午後の段階で、長さ4メートルの燃料棒は、その約半分が露出した。燃料被覆管は水・ジル
コニウムの酸化反応を起こし、核燃料の溶融が始まったと考えられる。ヨウ素やセシウムの放出がこのことを裏付けている。
 炉内の圧力が高まり、逃がし安全弁が開き、蒸気が格納容器内に充満。格納
容器内の圧力は、設計圧力の4気圧を超えて8気圧にまで高まった(通常は1気圧)。格納容器の破壊を避けるために、放射能にまみれた蒸気を大気中に放出し始めた。しかし、12日午後3時36分頃、原子炉建屋は爆発した。これは、水・ジルコニウム反応で発生した水素による水素爆発の可能性が高い。最悪の事態である。第一原発の正門前では、空間線量は1,015マイクロSv/h、一時間で1年間の許容線量を超える程である。

 地震発生直後から、福島原発は異常な状況にあった。政府も東電も、原子力
安全・保安院も原子力安全委員会も把握していたはずだ。それにもかかわらず、官房長官会見でも、マスコミも「念のための措置」、「建物内に待機していれば大丈夫」「線量は想定内」等々の無責任な発言を繰り返し、意図的に事故を小さく伝えている。

 地震発生直後から電源喪失、非常用電源は故障で作動せず。そのため事故直後からECCSは働かず、炉心の冷却能力は失われた。この初期の段階で大事故の予測ができていたはずだ。政府の緊急災害対策本部資料には、11日夜22時35分の段階ですでに、東電の最悪事故のシナリオ(福島第1原発2号機で原子炉圧力容器破損予測:23 時50分頃/1号機は評価中)が掲載されている。

 それにもかかわらず、住民避難は、当日の21時23分に原発から半径2㎞から3㎞にわずかに広げ、その後10㎞圏内に拡大したのは翌日の5時44分だ。爆発事故が起きて放射能が大量に放出される中で、20㎞圏内に避難地域を広げるなど、後手後手の対応だ。

 政府の事故隠ぺいや住民避難の遅れについて、その責任が厳しく問われなければならない。

 巨大地震が原発を襲えば、今我々の眼前で起きている恐怖が現実だ。政府や電力会社が起こりえないと繰り返してきた、炉心溶融・爆発事故が、今まさに進行しているのだ。
 原発は、巨大地震に耐えられない。福島原発のみならず、他の原発もマグニ チュード8.8の地震には耐えられない。

 周辺住民を速やかに避難させることを求める。
 事故の情報を全て公開することを求める。
 全ての原発を停止することを強く求める。

2011年3月12日 18:50
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

>グリーン・アクションのアイリーンさんからのメッセージです。
>福島原発の事故に関して英語で情報を送りたいときにご活用ください。
>
>フランスのEnerWebWatchが日本の震災原発事故サイトを開始:
>http://www.enerwebwatch.eu/EarthQuake.php>
>
>グリーン・アクションの英語サイト:
>(一昨夜から今までのアップデート)
>http://www.greenaction-japan.org/modules/wordpress1/index.php?p=2
>
>なお、京大原子炉研究所の小出先生がメッセージを発信しておられるので、
>下にコピーします。
>
>(以下、小出先生のメッセージ)
>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
>
> 皆様、福島原発は破局的事故に向かって進んでいます。
> 冷却機能を何とか回復して欲しいと願ってきましたが、
> できないままここまで来てしまいました。
> 現状を見ると打てる手はもうないように見えます。
> 後は炉心溶融が進行するはずと思います。
> それにしたがって放射能が環境に出てくると思います。
> その場合、放射能は風に乗って流れます。
> 西向きの風であれば、放射能は太平洋に流れますので、日本としては幸いでしょう。
> でも、風が北から吹けば東京が、南から拭けば仙台方面が汚染されます。
>
> 今後、気象条件の情報を注意深く収集し、
> 風下に入らないようにすることがなによりも大切です。
> 周辺のお住まいの方々は、避難できる覚悟を決め、情報を集めてください。
>
> 2011/3/12 小出 裕章
>