宇野@東京です。
GWの復旧作業で瓦礫や危険物が除去され、田植えへ向けて準備が進んでいた気仙沼のふゆみずたんぼ、その田植えを6/7にやりました。
復旧作業に参加した仲間数名と一緒に私もお手伝いをしてきたので、以下、長文になりますが、その報告・感想です。
一ヶ月前に比べれば、瓦礫撤去の作業はだいぶ進んだようでもありましたが、気仙沼駅からふゆみず田んぼのある大谷中学校へ向かう途中の景色は、復興への道のりがまだまだ長いことを感じさせる荒涼としたものでした。
大谷中学校の周辺も基本的には一ヶ月前と変わらぬ状態で、冬水田んぼ以外で田植えのしてある所は一カ所だけでした。
田んぼ少年こと藤澤くんも来ていましたが、田植えの準備を手伝いながら彼と話していると「ここだけ津波にあわなかったみたい」と一言。本当にその通りで、ひと月前瓦礫や漂着した車をどけ、ガラスなどを掘り起こしていたとは思えないような田んぼがそこにありました。
8時半から中学生、小学生が順番に田植えをしていきました。一本一本慎重に苗を植えていく子があるかと思えば、泥んこになって走り回る子もあり、活気に満ちた元気一杯の子どもたちで、本当に楽しそうでした。始めは念の為の安全対策で長靴着用でしたが、泥に足をとられ長靴がぬげ、としているうちに裸足になる子ども達がたくさんいました。自分も裸足で作業をしていて、時々足に当たる感触に不安を感じることがあったので若干心配でしたが、だれも怪我をすることはありませんでした。どうやら「裸足で入れる田んぼ」であったようです。
子どものエネルギー、驚くべきものですね。アッという間と言いますが、そういう勢いで田植えが進み、3時間程度で終わってしまいました。
元気だったのは子どもたちだけではなく、田んぼの生きものも元気でした。たくさんのイトミミズやオタマジャクシがそこら中にいて淡水の生きものがきちんと戻ってきていました。そして、田植えの後水が入り始めた田んぼには、早速鴨がやって来ました。虫を食べるツバメやセキレイの姿も見られました。
GWの後水を通したことで塩分も抜け、微生物の活性も上がっているなどの話も聞きましたが、ふゆみず田んぼプロジェクトの小野寺さんの話では、塩分については雨の効果も大きかったし、土の状態は均一ではないので単発の調査では分からないこともあるとのことです。また、塩害よりも、田んぼの表層が削られてしまったことの方が心配とのことで、まだまだ安心はできないようです。
津波の後では、雨や人が田んぼに流す水によって塩分は抜け、海から運ばれた肥沃な堆積物が残るのだと思いますが、果たしてそれは削られた表土をも補ってくれるのでしょうか。津波の後は実りがいい、という伝統知識が試されるのはこれからです。
子どもたちが楽しそうに田植えをする姿、田んぼを住処とする生きものの姿、復旧作業に関わった者としてはうれしくなってしまうことばかりでしたし、生まれた初めての田植え経験という点でも楽しませてもらいました。また、小野寺さんのお話を聞く中で「土と相談しながらやっていく」という言葉が印象的でした。ふゆみず田んぼからいただいたご縁の中で、自然と共に生きることを含めて色々なことを考えさせられています。これからも、このプロジェクトに関わりながら、被災地への支援を続けていけたらと思っています。