こんにちは。ウィンドファーム矢野宏和です。
2008年から、カルロスさんの命日には、カルロスさんの振り返って文章を書くようになったのだが、気が付けば、もう2011年。
きょうはカルロスさんの命日、7月4日。
先日、ナマクラ代表の小澤さんと電話していたら「そういえば、そろそろですね。カルロスさんの命日。」と言われて、すごく、うれしかったです。
7月4日は、カルロスさんを思いつつ、我が身の変化を感じるときでもあります。今年は、どんな想いが湧き上がってくるのか・・・
つれづれなるままに、カルロスさんを想いつつ、カルロスさんのコーヒーを飲みつつ、つづってます。お時間のある方は、下記をどうぞ〜
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ミッフィーと、カルロスさん。
2011年、7月4日。カルロスさんを思いつつ・・・
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「うさこちゃん」でお馴染みのミッフィーが、どうやら物語のなかで、
「万引き」をしちゃったらしい。そんな話題が食卓に上がった。
「小さな子どもが読むのに、いいのかな?」と妻は心配していたが、
私にとってはどうでもいい話題。
「そりゃあ、まあ。ミッフィーだって悪いこともするだろうよ。」と言って
話しを切り上げようとしたのだが。
その後、自分でも思いもよらぬ言葉を、口にしていた。
「だって、ジャカランダ農場のカルロスさんだって、小さいとき、万引き
したことあるし・・・。」
そう。「ジャカランダコーヒー物語」を読まれた方はご存知のとおり、
カルロスさんは少年だったある日、バザーでスターフルーツという珍しい果物を
盗ってしまったことがあるのだ。
少年カルロスは、家に戻って良心の呵責に苦しみ、「いつバレやしないか」と、
父親の顔も恐くて見れなかったという。
ちなみにカルロスさんのお父さんは、家のなかでは絶対的な存在で威厳に
満ちている、地震・雷・火事・親父的なオヤジで、相当に少年カルロスは
恐れおののいていた。
問題は、ここからだ。
たとえば私だったら。恐さのなかで、正常な思考を失い、逆上して、
「うわあ、ごめんなさい。私がやりました」とぶちまけ、さんざん張り手をくらい、
ぼろ雑巾のような状態で親に手を引かれてお店で謝り、さらにそこでシバかれて・・・
というドタバタ騒ぎのなかで、何をどう対応すべきか、自分では何も考えずに
終わっていただろう。
一方、カルロス少年は、恐怖にふるえながらも、実にクレバーな対応をした。
万引きをしてしまった翌日、カルロス少年は自分のお小遣いをもって再び、
スターフルーツの屋台の前にいき、「いくらですか?」と問う。
値段を聞いてカルロス少年は、「じゃ1個ください」と言ってお金を支払い、
スターフルーツを受け取った。
そして、屋台のおじさんが他所を見ている間に、すばやく購入したばかりの
スターフルーツを屋台に戻して、その場を立ち去ったのである。
なんという、つじつま合わせの術であろう。誰にも迷惑をかけず、誰をも怒らせる
わけでもない、じつにエレガントでスマートな対処。
自分のやったことについて、最後まで自分の力で、オトシマエをつける。
カルロスさんはきっと少年の頃から、そうした実践を繰り返していたのだろう。
親がアレコレ全部するわけでなく、自分で選び、その結果を受け取るまでの過程を
きちんと歩ませる。その繰り返し。
これは以前にもお伝えしたことだけど、カルロスさんの孫のカシオが、
面白半分で小鳥を殺したとき、カルロスさんはその小鳥を料理して、
カシオの食卓に置いた。
「自分でやったことに、きちんと責任とれよ」という強烈なるメッセージを含めて。
そうした行為、あるいは学びのトレーニングを積み重ねて、人は責任を
負えるようになっていくのだろう。
年さえとれば、人は大人になって責任を負える。私はそんな幻想を抱いていた。
今年、天才バカボンのパパと同じ41歳になる、おっさん矢野宏和は、ひたすら
今日までの、責任なるものに対するトレーニング不足を嘆くばかりである。
「だいじょうぶ。まだまだ、やりなおせる。多分、できると想う。できるんじゃないかな」
カルロスさんに聞いてみようと空を仰げば、激しい雷。
「喝!」を、いれられたような気がした。