第7回『生産者と消費者—顔の見える関係を大切に』(5/28掲載 京都新聞)

 私たちは、生産者と消費者の顔の見える関係をとても大切にしています。いろいろな委員会活動があり、その一つに援(縁)農委員会があります。農業・農作業を応援すること、農作業の中身を知ること・農家の方々を知ること、すなわち縁を結ぶことが目的です。
 猫の手も借りたいほど忙しい時、委員会は援農を企画します。少し前のことですが、三月二十七、二十八、二十九日とトマトの接ぎ木の作業をしました。春休みでもあり、参加者はのべ子ども十三人(二〜八歳)、大人四十二人。リピーターもいれば、初めての方も多数います。企画を発表すると多くの方が予約電話をして下さる。昼食持参、交通費自前というのに、その熱意に感動します。
 トマトは続けて栽培されるのを嫌う植物です。ハウス栽培では手軽に土を交換できないので、強い苗を台木に実の美味しい苗を接ぎ木するのです。直径五㎜ほどの苗を斜めに切りとって接ぎ木します。小さい軟らかい幼苗なのでカッターを持つ手も初めはビクビクですが、次第に大胆になり、カッターでスパッと切り夢中になっています。
 子ども達は寒風をものともせず、畦道をきゃっきゃと大きな声で笑いさざめきながら走り回っています。昼食後、大人達も田畑の畦道で、ツクシ、ヨモギ、フキノトウなど春草つみも楽しみの一つです。
「三日間で五千二百本の接ぎ木ができました。ありがとう」生産者に喜んでいただけるのが一番の幸せです。五月五日にはトマトの苗木の定植をしました。そのあと、一週間に二回芽かきなど援農は続きます。無事に育ってくれますように。