アラン・トゥーサン_Allen Toussaint 2011.1.12_ Osaka

2011.1.12(Wed)..billboard-Osaka
アラン・トゥーサンのライブにいってきました。

Members:
Allen Toussaint(V.Piano)
Brian “Breeze”Cayolle(T.Sax)

Herman LeBeaux(Drums)
Roland Guerin(Bass)
Clarence “Reginald”Toussaint(Perc.)
Renard Poche(Guit.Tb)

ニューオーリンズR&Bの大物と呼ばれています。

2006年に。エルヴィス・コステロと競演したんですね。
そしてアルバム『ザ・リヴァー・イン・リヴァース』で話題を呼んだそうです。

その後『The Bright Mississippi』(2009)が出ました。
ニューオーリンズの音楽のルーツを辿ったかのような内容。
マーク・リボ_Marc Ribot (acoustic guitar)も参加している!

アランさんの格好なんですが、
うすい紫色のスーツにアディダスの黒のスニーカー。真っ青なネクタイ。
L.Aのすかした組み合わせかなと感心していたんですが、
よく見ると、どうやら3本のスリットの入った夏用のサンダルでした。

錦糸町あたりに出没するジゴロ・ファッションと決めつけちゃーいけない! Non!
スーツの上にとびきりの笑顔が乗っかっている。
歌う声は、明るい張りのあるテナー。

サックスのブライアンは、ダーク・スーツできめている。
色男。
後頭部がウォターメロンのように迫り出ていて完璧な形を成している。
-こんなに黒のチロリアン・ハットが似合うひと、
はじめて見ました。(笑)-
明るい雰囲気のおじさん!ニコニコしています。

さてリズム隊は、年恰好、20代前半の
ニヤリともしない野郎達。Cool Guys!-まじめです(笑)でも楽しそうです-

ルーツとかコモンとかのBasicなビート・テイストを持つユニットで、
ベースは、ひたすら地の底を這うように、ドラムはジャズテイストで、
グラディ・テイトを想わせるトップ・シンバル・レガートの軽さを
心地よく伝える。デゥヒ デゥヒ カン ドゥ デゥヒ デゥヒ カン
って感じ。

スタートは、Jazz Funkではじまる。
ここは、N.Y.のクラブかなという意外な出だし。
まずはかるく体内に血をサーキュレイトしようというのかな?

Cmaj7 Dminor7の繰り返しそして Cmaj7 Dminor7/E♭7
と気分を変える。(キィーは確かではありませんが、たとえばです)
ビートは、ブギウギを踏まえたジャジィ・ビート。
サビに行く前に、気のきいたリズム・リフを挟みこむ。これも定番!
ちょっと玄関までの駆け上りを助走をつけて飛び込むかんじ。
だれーた感じがおしゃれなんですが、そこに50年代のブギウギの
安普請なナスティさが底辺にある。混ざっている、そこがいいんです♪

「あとね。マイナーのブルース*がねぇ。どうもね。
それはそれは、おどろおどろしくてね。ちょうど長野県の旅館に
出没する座敷わらしの登場音楽の様でね。
もちろん”蒸し暑く澱み切った空気”と云い回すような、
ビリィーホリディの”奇妙な果実”や映画”イグワナの夜”とか
につながるものとは判っているんですが、どうにも背中がゾクゾクして
しょうがありませんでしたよ、、、」

クレオールは、西アフリカからカリブに辿り着いた人々が、
年を重ね、フレンチの種と交わりあった結果の人種で、
独特の明るさとスタイルがある。
ニューオーリンズ。アビジャン。マルセイユ。パリ。血が混ぜられる。ヌガーのように。
大騒ぎもするけど、それだけでなくてヨーロッパ文化の
深さと広がり、余裕の遊びのようなものが感じられる。その辺りの豊かさ。

-ひたすら繰り返される語句・リフレイン そして反転する。
異なったキャラクターをもつピックアップ・リズム・パターンの
組み合わせ方に、絵画につながるしっかりした一定の形式がある。
そこが、楽しみどころかな-

なんか一本の映画とそのバックに流れている音楽に付き添った、
そんなドラマティックな夜でした。
アラン・トゥーサン Still Happening!

*曲名_”St James Infirmary(診療所)”