こどもを大切にする社会とは?

こんにちは。

渡辺由美子@有限会社WAFFLE@キープラ社会貢献事業部です。

今日美容院に行ったら、マッサージをしてくれたのですが、
「ものすごく肩が凝っていますね。」
と言われました。

今週は、PCに向かいっぱなしでしたので(%痛い女%)

そう言われると、急に肩が重くなってしまうのは
私の精神力が弱いからでしょうか?

さてさて、私が愛読している日刊のメールマガジンに、ちょっと考えさせられる内容が載っていました

発端は

「セミナーの開始時間に人があまり集まっていない場合には
もう少し集まってからはじめるのが良いか、
人の集まりに関係なく、すぐに始めるほうが良いか」

ということです。

メールマガジンでは、時間通りに始めるのが『正解』。
なぜなら、時間通りに始めることが、きちんと時間までに来た人に
とっての当然のサービスで、遅れる人が悪い。

なるほど。

で、そこから、「時間通り」というキーワードで
電車のサービスが語られていまして、

>間に合いそうに無い人のために発車を待ってあげるというのは、
>電車にとっては別に良いサービスではない。

>電車の良いサービスとは、
>「一分一秒も遅れずに運行すること」である。

とありました。

そこで私は、はたと考え込んでしまったのです。

確かに、ビジネスマンにとっては、時間厳守は大切であり、
一見、これは正しいように思えます。

でも、例えば、お年を召した人にとっては、
足元を確認しながら乗るので時間がかかるし、

赤ん坊をおんぶしながら、
ベビーカーを押して、さらに小さなこどもを手にひきながら
乗るというような親子にとってはどうだろう?

車椅子の人は?

「一分一秒も遅れずに」
を追求する、というか、それを頭から信じ込んでしまうと
駅で見かけた親子連れや老人や、車椅子を見て
「ちぇっ」
となってはしまわないでしょうか?

実は、私はイギリスについて早々で、まだ事情もよくわからないころに
下の子をベビーカーに載せて、5歳の長男を連れて
電車に乗らなければならないという状況があったのです。
反対側のホームの電車に乗ろうと、鉄橋を渡っていると
ちょうど電車が来ていて、
「電車来てるよ〜」
とこどもに声をかけた走り始めたのです。
今考えれば、無理せずに次に乗れば良かったのですが
異国の地で、万事あせっておりましたので。
でも、その頃にはもう電車の扉もしまっていたので
「これはダメかなぁ」
とあきらめていたのです。

ところがそれがちょうど車掌さんの目に入ったらしく
電車は私たちが着くまで待っていてくれたのです。
さらに、その電車は自動ドアではなくて
扉の開け方もわからず、モタモタしてしまったのですが
それに気づいた中の人がドアを開けてくれて、
さらにベビーカーを入れるのを手伝ってくれました。

たぶん、私たち親子のために、「1分」どころか「2分30秒」ぐらいは
遅れていたと思います。

それでも

電車の乗客全体に
「子ども連れだからね(%ニコ男%)(%ニコ女%)」
という雰囲気がありました。

まぁ、イギリスは日本ほど時間通りに電車はこないので
一概に比較はできませんが。

逆に考えると、こういう運用をしているから
時刻表通りにいかないのではないでしょうか?

弱者を普通にいたわる雰囲気とでもいいますか、
「一分一秒」と「優しさ」のどちらをとるかということなのかもしれません。

別のところで、アメリカに住んでいる日本の方の文章を読みましたら、
アメリカではご存知のように、スクールバスでこどもは通学するのですが、
こどもの乗降のときには、スクールバスが車体から「STOP」という
黄色いサインを出すんだそうです。
すると、どんな車でもそのサインが出ている間は、必ずとまるのだそうです。
そして、
こどもが安全に乗降りをして、反対側に渡り切ったことをスクールバスの
運転手が確認してから、サインを下ろし、それでやっと、他の車も走り始める。
その文章を書いた人は
「毎朝、こどもは社会の宝であるということを確認する幸福の時間」
と書いていました。

いいなぁ。

もうひとつ、ニュースからですが、
確かブリティッシュエアラインだと思ったのですが、

先日、文字通りの空中出産ということで、
飛行機に乗っていた妊婦さんが予想外に産気づいてしまい
偶然乗り合わせた医学生の助けを借りて、無事出産し
近くの飛行場に緊急着陸。

というのがありました。

飛行機には、妊婦さん以外にもたくさんの乗客がいたはずで
ビジネスの人も、観光の人も
予定が狂ってしまったでしょう。
もし、私がその飛行機に乗っていたとして
「無事に生まれて良かった。」
と思うのか
「予定が狂ってしまってとんでもない」
と思うのか、
どっちなんだろうと考えてしまいました。
きっと、観光旅行だったら前者だけど、
仕事だったら、「とんでもない」と思ってしまうかもしれません。

「赤ちゃんが生まれたんだからしょうがないよね」
というコンセンサスがある社会か、そうでない社会か、
そして、日本はどういう社会になりたいのか、
きちんと考えなくてはいけないなぁと思います。