高度経済成長時代へ突入し誰もがベルトコンベヤに乗り物質的に豊かな生活を求めて働いてきましたが、バブルが弾け自由競争時代に突入すると企業は生き残るために次々とリストラが始まり、大勢の人々が人員整理の犠牲になりました。バブルが弾けた時代は、学校について行けず受験競争の犠牲になった若者が不登校やひきこもりとなって社会問題化し始めた頃でもありました。あれから約50年が経ち、物があふれ豊かになり便利になったかもしれませんが、毎日暗いニュースが続き、いま日本に生きている一人の人間としてこんな社会でいいのかとつい憤りを感じます。
どんなに時代が変わろうと、変わらない大切なものがあります。それは家族の愛とか人の心の暖かさや希望ではないかと思います。この映画は忘れかけていた人情味あふれる日本人の心を蘇えらせました。また精神的に貧しくなった日本人が心豊かに生きていくためには、もう一度原点に立ち返って反省しなさいと私たちに語りかけているように思いました。政界も財界も利益やお金のことならなんでもするといった風潮が蔓延っていますが、「お金よりも大切なものがある」ということも教えてくれたよき映画だと思います。映画が終わると、帰りには生まれて初めて映画のパンフレットをつい買ってしまい、それほど何回も見たい映画だと思いました。